2015 Fiscal Year Research-status Report
細胞障害因子に対する細胞内受容体制御によるがん治療時の口内炎発症抑止の研究
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15K15746
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
引地 尚子 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50292876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 由希子 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10582778)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口内炎 / 細胞障害因子 / 細胞内受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん治療時の口内炎は重篤であるにもかかわらず、その発症は不可避で対症療法で症状を軽減するものと考えられてきた。しかし口腔の「炎症防御機能を賦活化し、侵襲に対する抵抗性を高める」ことが本来最も効率的な戦略である。そこで基礎的研究を背景に口腔粘膜の炎症防御機構をコントロールし、口内炎発症を抑制することが本研究の第一の目的である。 また、複雑な炎症・免疫学的口腔環境を解析し、炎症コントロールキー分子を絞り込むことが本研究の第二の目的である。 細胞障害因子としての物理的因子、化学的因子、生物的因子を共通して認識する細胞内炎症コントロールキー分子を同定することを進めており、現在かなり少数の分子を選定することができた。 さらに、物理的因子に対する口腔粘膜の特異的反応に注目しており、研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、炎症コントールキーとしてインフラマソームを最も有力な候補と考え、研究を進めていた。現在でもインフラマソームは最も有力な候補ではあるが、本分子一つに絞り込むことはやや困難で、他の細胞内受容体についても並行して研究を進めている。 また、口腔粘膜は、物理的因子に対して特異的反応性を持つことが次第に明らかになり、他の粘膜などで報告されている炎症機序は必ずしも口腔粘膜に適応できないと思われた。 この口腔粘膜炎症機序の複雑性のため、いろいろな新規知見が得られつつも、コントロールキー分子を絞り込めるところまでたどり着いていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で口腔粘膜炎症コントロールキー分子を絞り込めていないが、一方口腔粘膜組織の炎症における特異的反応性は明らかになりつつある。口腔の「炎症防御機能を賦活化し、侵襲に対する抵抗性を高める」ためには、欠かせない知見が得られつつあるので、性急に分子特定を急がず、最終目的を達するために必要な知見の集約に努めたい。
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Causes of Carryover |
研究用サンプルの作成が年度末にかかり、相応した抗体等の納入時期が次年度にずれたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
連続した研究のため、前年度に引き続き、主に、サンプル作成用試薬と抗体などの関連試薬・資料等の購入に使用する。
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Research Products
(5 results)