2016 Fiscal Year Research-status Report
中枢性骨形成シグナルによる小児閉塞性睡眠時無呼吸症候群の顎顔面成長障害機構の解明
Project/Area Number |
15K15753
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小野 卓史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30221857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 謙一 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (40166947)
清水 康広 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (60631968)
鈴木 淳一 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (90313858)
臼見 莉沙 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (90706946)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小児睡眠時無呼吸症候群 / 間欠的低酸素曝露 / 交感神経受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児期の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、小下顎症と気道炎症を主徴とし、夜間における反復性の上気道虚脱を示す。これまで、OSAの病態を再現する成長期ラット間欠的低酸素(IH)曝露モデルにおいて、1)顎顔面成長の抑制、2)歯列成長の変調、3)鼻気道における炎症経路の亢進について報告した。OSAの全身病態の背景として、交感神経β2受容体の亢進が知られている。そこで本研究では、IH曝露下の幼齢ラットモデルに対するβ2受容体の薬理学的阻害実験を行い、β2受容体の亢進を介した顎顔面成長の抑制を検証することを目的とした。実験モデルの作製に、離乳期の3週齢D系雄性ラットを用い、β2受容体遮断薬ブトキサミン(2mg/kg体重/日)または生理食塩水の持続注入ポンプの腹腔内埋入手術をおこなった。ポンプ埋入後、飼育チャンバー内の酸素濃度が1時間に20サイクルの間隔で4-21%に変化するIH状態を実験的に再現し、1日8時間、IH条件下でラットを飼育し、β2遮断薬あるいは生理食塩水を持続投与されるIHモデル(n=6)を作製した。通常大気下で飼育される、β2遮断薬あるいは生理食塩水を投与される同週齢ラット(n=6)を、比較対照とした。3週間後、全身性の代謝変化の評価のために血清を採取し、ラット頭部のX線規格写真の撮影を行った。結果として、実験期間におけるIHモデルの体重増加が、β2遮断薬の投与により、対照群と差異がなく、β2受容体の全身成長への影響が示唆された。現在、ラット頭部成長について、頭部X線規格写真を用いて解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画した年度内のX線解析が終了していず、現在も継続中である。
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Strategy for Future Research Activity |
IH曝露の全身成長および顎顔面成長への影響を比較するため、頭部のみならず四肢骨の成長解析も実施する。
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Causes of Carryover |
予定した頭部X線解析の作業遅延のため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定した頭部X線解析の費用として使用する。
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