2016 Fiscal Year Annual Research Report
Challenge to analyze the regulatory mechanism of bone metabolism by dioxin receptor AhR
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15K15757
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
井澤 俊 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 助教 (30380017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 栄二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (40273693)
岩浅 亮彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 助教 (90746025)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯学 / 歯科矯正学 / 骨代謝学 / 免疫学 / シグナル伝達 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨リモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイオキシン受容体として知られる転写因子AhR(aryl hydrocarbon receptor)は、様々な組織に発現がみられ、最近になって一部の免疫細胞にも高発現していることが明らかになってきている。これまでAhR がRANKLシグナルを介した破骨細胞形成においても重要であることが報告されているものの、破骨細胞におけるAhRの発現調節やAhRによる破骨細胞形成の詳細なメカニズムについては未だ不明な点が多い。本研究では、AhRの発現はマクロファージから破骨細胞分化における転写因子c-Fosの発現上昇と同じ比較的早い分化ステージで上昇し、骨恒常性を制御する因子となることが明らかとなった。さらに、AhRによる破骨細胞分化にはRANKLシグナルを介したc-Fosの転写活性、ミトコンドリア生合成にはPPAR-γのコアクチベーターであるPGC-1βを介した2つの独立した下流のシグナル伝達経路が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 また、近年の疫学的研究により、タバコ煙中にはAhRを活性化しうる有害物質BaP (benzo [a] pyrene)が極めて高レベル含まれており、喫煙によって生体内のAhRは活性化され、炎症関連の病態である骨粗鬆症や関節リウマチとの関連が示唆される。そこでin vitroにおいてマウス骨髄より培養した前破骨細胞にBaPによる刺激を行ったところAhR/c-Fosシグナル伝達経路が破骨細胞分化調節に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。さらに、AhR欠損マウスでは、骨折の病的状況下において仮骨部への破骨細胞の集積が少なく、その結果、仮骨部のリモデリング不全により骨折治癒が遅延することを見出した。以上のことから、RANKL/AhR/c-Fosシグナル経路が破骨細胞分化において重要な役割を果たし、骨代謝疾患における治療標的となることが示唆された。
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[Presentation] 不正咬合患者における顎関節症の臨床統計学的調査2016
Author(s)
岩浅 亮彦, 森 浩喜, 井澤 俊, 篠原 丈裕, 三野 彰子, 佐藤 南, 堀内 信也, 田中 栄二
Organizer
第29回日本顎関節学会総会・学術大会 ポスター発表
Place of Presentation
神奈川県 足柄下郡 湯本富士屋ホテル
Year and Date
2016-07-18 – 2016-07-18
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