2016 Fiscal Year Research-status Report
成長期の矯正治療が睡眠時無呼吸、胃食道逆流及び呼吸器疾患に及ぼす効果の解明
Project/Area Number |
15K15758
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮脇 正一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (80295807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大牟禮 治人 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (00404484)
國則 貴玄 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00626666)
前田 綾 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (10457666)
永山 邦宏 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (60583458)
友成 博 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (70398288)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 睡眠時無呼吸 / 胃食道逆流 / 上顎劣成長 / 下顎劣成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで、顎口腔機能や、上部消化管疾患と顎口腔機能異常の関連性について先駆的な研究を行い、睡眠時ブラキシズム(SB)と嚥下や胃食道逆流との因果関係、睡眠時の食道内への酸刺激がSBと嚥下を誘発したり、顎変形症が胃食道逆流症(GERD)のリスクを高めること、咀嚼と胃の活動との関連性、覚醒時の食道内への酸刺激が咀嚼筋活動を増加させること、GERDの第一選択薬であるプロトンポンプ阻害剤がSBの頻度を優位に減少させるが、30-40%の患者には効果がないこと等を明らかにした。また、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)とGERDの関連性について、我々の最近の予備調査では、小下顎症患者では、QUESTやFSSG質問票などのGERDの臨床症状を評価するスコアが高く、睡眠障害を示すEpworth Sleepiness Scale(ESS)のスコアも高いことが示唆された。さらに、最近は、小下顎症に起因する咽頭気道の閉塞によりOSAを発症している患者に対して、下顎骨延長術を行うことで咽頭気道が拡大し、睡眠中のApnea Hypopnea Index(AHI)と動脈血酸素飽和度も改善し、外科的矯正治療が睡眠呼吸障害の根本療法として有効であることを示した。 本研究の目的は、顎骨の劣成長や歯列弓の狭窄を伴う小児に対して咽頭気道の拡大を伴う矯正歯科治療を行い、OSA、GERDおよび呼吸器疾患に及ぼす効果について解明することである。しかし、鹿児島大学病院矯正歯科を受診した小児患者で、OSA、GERDおよび呼吸器疾患を有する者が少ないことに加えて、確定診断に不可欠である睡眠検査や内視鏡検査に対する本人と家族の理解を得ることが難しく、被験者の確保が難航している。そこで現在、睡眠呼吸障害の病態や治療にも影響を及ぼすとされる鼻呼吸状態をより簡便かつ客観的に評価する鼻腔通気度検査法を用いるため、再現性の確認を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
鹿児島大学病院矯正歯科を受診した小児患者で、OSA、GERDおよび呼吸器疾患を有する者が少なく、さらに、OSAに対する睡眠検査、GERDに対する内視鏡検査への本人と家族の了承を得ることが難しく、被験者数が確保できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、被験者に睡眠時無呼吸症候群の確定診断に必須の標準睡眠時ポリグラフ検査(1泊2日の病院滞在が必要)を実施する必要があるが、学童期の被験者には負担が大きく、被験者の確保が難航している。今後は、共同研究先であり、鹿児島県で有数の終夜睡眠ポリグラフ検査が可能な施設である鹿児島厚生連病院睡眠センターに協力を要請する。
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Causes of Carryover |
鹿児島大学病院矯正歯科を受診した小児患者で、OSA、GERDおよび呼吸器疾患を有する者が少なく、さらに、OSAに対する睡眠検査、GERDに対する内視鏡検査への本人と家族の了承を得ることが難しく、被験者数が確保できず、実施できていないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究で使用する設備・機器類の大半は現有の物を使用する。睡眠障害に関するスクリーニングは、各被験者の自宅で行う睡眠検査で使用するため、調査を進めるには複数の簡易無呼吸診断装置が必要である。さらに、被験者の確保について共同研究先である鹿児島厚生連病院睡眠センターに協力を要請する。
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