2015 Fiscal Year Research-status Report
臍帯血幹細胞を用いた再生医学的アプローチによる早期顎裂閉鎖に向けて
Project/Area Number |
15K15759
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
須田 直人 明海大学, 歯学部, 教授 (90302885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真野 樹子 明海大学, 歯学部, 講師 (00333005)
時岡 一幸 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70332616)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口蓋裂 / 再生 / 骨 / 臍帯幹細胞 / 顎裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
唇顎口蓋裂児の顎裂閉鎖において、しばしば歯槽歯肉骨膜形成術(GPP)が行われる。GPPは、主に乳児期に顎裂部を両側の骨膜弁により被覆し、骨架橋形成を促すことを目的に行われる外科手術である。GPPによる歯槽提の連続性獲得は、口腔機能の正常な発達や顎裂への舌の突出防止を、顎裂部二次骨移植が行われる時期よりはるかに早期に実現することができる。これまで我々は、片側性唇顎口蓋裂児に対し、術前顎矯正治療後にGPPを施行した症例の短期的な術後成績を評価し、前後的に劣成長のない上顎骨と狭窄のない歯列が獲得できることを報告した。しかしながら、顎裂部を三次元的に評価したところ、必ずしも骨架橋形成は十分でなく、垂直的にも唇舌的にも骨形成量が不十分な例もあった。今後は、いかに顎裂部の骨架橋形成量を向上させるかが大きな課題と考えている。 臍帯はその採取がきわめて容易で、患児や母体に対する侵襲性もない。そこで、GPP施行後に顎裂部に形成される骨架橋量を、臍帯に存在する間葉系幹細胞の移植により向上させることを目的とする。 2015年度は研究初年度として、臍帯由来の幹細胞単離を行ってきた。これまで臍帯由来の細胞としては、臍帯血を用いることが多かったが、臍帯間質細胞が臍帯幹細胞を多く含むsourceとして期待されている。そこで、我々も臍帯間質細胞より幹細胞の単離を行い、紫綬の幹細胞マーカーの発現を検討した結果、効率的に単離可能なことを確認した。 現在、in vitroでこれらの幹細胞の骨芽細胞系への分化誘導を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画立案当時は、臍帯幹細胞のsourceとして、臍帯血中に存在する間葉系幹細胞を考えてきた。しかしながら、臍帯間質細胞が臍帯幹細胞を多く含むsourceとして期待されている現状の中で、臍帯間質細胞から幹細胞を単離する方針に転換した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は単体としてハイブリット型人工骨と共に臍帯幹細胞を移植して、実験計画にしたがいGPP後の歯槽骨形成の効率化を図っていく計画である。またこの時、骨髄幹細胞との成績の比較も併せて行っていく。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Lectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor-1 abrogation causes resistance to inflammatory bone destruction in mice, despite promoting osteoclastogenesis in the steady state.2015
Author(s)
Nakayachi M, Ito J, Hayashida C, Ohyama Y, Kakino A, Okayasu M, Sato T, Ogasawara T, Kaneda T, Suda N, Sawamura T, Hakeda Y.
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Journal Title
Bone
Volume: 75
Pages: 170-182
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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