2017 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of chewing during prenatal stress on diabetes onset in mouse offspring
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15K15761
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
久保 金弥 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (00329492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹栗 健一 自治医科大学, 医学部, 講師 (10235286)
東 華岳 産業医科大学, 医学部, 教授 (20273146)
飯沼 光生 朝日大学, 歯学部, 教授 (70184364)
小野塚 実 神奈川歯科大学, 歯学部, 名誉教授 (90084780)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 咀嚼運動 / 妊娠ストレス / 糖尿病 / 肥満 / ストレスコーピング |
Outline of Annual Research Achievements |
ストレス条件下において木の棒を噛ませた妊娠マウス(ストレスチューイング群)と木の棒を噛ませなかった妊娠マウス(ストレス群)およびストレスを負荷しなかった妊娠マウス(コントロール群)から生まれた雄仔マウスを用いて妊娠母体の積極的な咀嚼運動が仔の糖尿病の発症に与える影響を検討した。 ストレス群の仔マウスでは摂食量や体重が顕著に増加して肥満傾向が認められ、血糖値の上昇やインスリン抵抗性がみられた。また、これらの子マウスでは脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンの低下や血中レプチン量の上昇が観察され、中枢性エネルギー代謝関連物質であるニューロペプチドYの視床下部弓状核での発現量の増加が認められた。一方、ストレスチューイング群から生まれた仔マウスでは、摂食量や体重はほぼコントロール群と同傾向で肥満傾向を示さなかった。また、これらのマウスではコントロール群と同様に、血糖値の上昇やインスリン抵抗性は認められなかった。さらに、ストレスチューイング群の仔マウスではアディポネクチン量やレプチン量、ニューロペプチドYの発現量がコントロール群とほぼ同程度で、ストレス群と有意な差を示した。これらの結果から、ストレス下の妊娠母体から生まれた仔マウスではエネルギー代謝機構が障害され、肥満して糖尿病を発症するが、ストレス負荷下で木の棒を噛ませた妊娠母体から生まれた仔マウスではエネルギー代謝機構の障害が抑制され、肥満や糖尿病にならない可能性が示唆された。母体のチューイングによって、仔の妊娠ストレス性糖尿病の発症素因の形成が抑制できる可能性が示された。
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Research Products
(2 results)