2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of falling prediction sensor from bed
Project/Area Number |
15K15782
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川口 孝泰 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40214613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 美礼 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00273417)
市川 政雄 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20343098)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 転倒転落 / 事故予防 / 観察手法 / 非線形時系列解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
患者の離床情報は、看護師の把握するべき患者安全情報において特に上位である。27年度では「圧力センサおよび重心変動解析装置の測定精度および信頼性に関する基礎研究」を行った。28年度では「療養者に対する重心軌跡の分析による転落予防効果の検証」について、健康人を模擬対象としたシミュレーション実験によって検証を行った。実験および解析は以下の手法で行った。 ①スペクトル解析によるパワースペクトル値:時系列データに対してスペクトル解析を行った。パワースペクトルは、3種類に注目して重心の動きの周波数を分解した。その結果、対象者の重心の動きの周波数は、離床に関しての相関性が存在していることが示された。 ②DFA解析によるゆらぎ指数:ゆらぎの項目では、ゆらぎ指数1、ゆらぎ指数2という2種類の指数を算出した。ゆらぎ指数はDFA法を用いた解析により算出される指数である。しかし、本研究では重心の動きがDFA解析による離床・転落に関する予備動作につながる関係性は把握できなかった。 ③カオス解析によるリアプノフ指数:リアプノフ指数は、重心の動きをカオス解析することで、算出される指数である。指数の値が大きければ測定しているデータが不安定でカオス的であることを示しており、ゆらぎ指数と合わせて、重心動揺の特性を表す指標として検討を行った。本研究の結果では、転倒転落リスクにつながる僅かな指標となることが示唆された。 さらに本年度は、DFAで得られなかった転倒転落の予兆に関して、危険な行動を Support Vector Machine(SVM)にて機械学習させることで、状態を推定し、予防を行う試みを行った。その結果、マイクロ平均における適中率は90.6%、適合率 は86.0%、再現性は86.0%であり、判別システムの精度は高いと考えられた。今後は、SVMによるさらなる検討の必要性が示唆された。
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