2015 Fiscal Year Research-status Report
医療関連機器圧迫創傷予防のためのパーソナライズドフィッティングデバイスの開発評価
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15K15784
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
真田 弘美 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50143920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
仲上 豪二朗 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70547827)
野口 博史 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50431797)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 褥瘡予防 / 3Dスキャナ / 3Dプリンタ / 医療関連機器圧迫創傷 / 予防 / 人工呼吸器 |
Outline of Annual Research Achievements |
非侵襲的陽圧換気療法(Non-invasive Positive Pressure Ventilation: 以下NPPV)フェイスマスクによる圧迫創傷の発生率は、10%~40%と報告されている。NPPVフェイスマスクによる圧迫創傷の発生は、患者のQOLを低下させるばかりでなく、生命に直結する問題であり重点的な予防的対策が求められる。現状として、ベストプラクティスに準じたケアやマスクフィッティング教育が行われた場合においても、圧迫創傷の発生は報告されており、新たな予防的対策が必要である。 圧迫創傷が生じる要因の一つとして、医療者による不適切なマスクフィッティングが挙げられる。医療者は、患者と人工呼吸器が同調するようリーク流量を約40~60L/分となるようにマスクフィッティングを実施している。しかし、顔の形状(るい痩、義歯装着困難による頬部の陥没)や経鼻胃管の留置がある場合には上記リーク流量に調整することが困難となる。そこで、我々は現在個々の医療者の技術によって調整されている顔とマスクの隙間に着目し、その隙間を客観的に評価し適切に埋めるデバイスを開発することができれば、リーク量の減少および接触面積の拡大による圧分散の効果が得られ、誰もが簡便にリーク量が許容範囲内かつ接触圧は褥瘡発生と至らない両条件を満たすマスクフィッティングができるようになり圧迫創傷が予防できると考えられる。すなわち、3Dスキャナと3Dプリンタを利用し、個々人に適した顔とマスクの隙間を充填するパーソナライズドフィッティングデバイスを開発することを発案した。 平成27年度は3Dスキャナで顔面およびNPPVマスクをスキャンし、間隙を埋めるフィッティングデバイスをシリコンで作成するプロトコルを作成した。これに基づいて作成したフィッティングデバイスを装着することで、NPPVマスク着用下での接触圧の低減効果を検証しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の要であるフィッティングデバイスの作成プロトコルが策定できており、評価実験を行うための基盤が形成できたと考えているため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に作成したフィッティングデバイスを用いてリークを抑えながら接触圧を低減できるかどうかを検証する。
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Causes of Carryover |
健常人実験用にレンタルする予定であったの人工呼吸器の契約時期がずれ込んだため、その支払い分として残額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験遂行に支障のないよう契約を実行する。
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