2016 Fiscal Year Research-status Report
バイオフィルム形成モデルの確立及び看護ケアにおけるカテーテル関連感染予防の検討
Project/Area Number |
15K15788
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 美奈 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (40622824)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 感染予防 / 感染看護 / カテーテル感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
2012年度の診療報酬改定でも在宅医療重視の方向性が示され、今後ますます在宅医療は増加していくことが予想される。加えて、感染対策防止加算の見直しも行われ、地域の医療機関同士の連携による感染対策の推進を重要課題として提示している。在宅で療養をおくる、特に高齢者の方たちに対し、栄養チューブや吸引チューブの管理が適切かつ簡潔に行える方法の開発は安全な在宅療養へとつながると考えられる。 まず、カテーテル素材として用いられているシリコンを用い、以下の検討と行った。 シリコンディスク上でのバイオフィルム形成:96-well プレートの各well に適するように、シリコンシートをパンチャーでパンチし、シリコンディスクを作製しオートクレーブで121℃、20 分間滅菌する。滅菌後、シリコンディスクを滅菌96-well プレートの各well に入れた、シリコンディスクに細菌(緑膿菌、表皮ブドウ球菌)が付着しやすいようウシ血清で処理する。適当量の菌懸濁液を加え30℃、48 時間培養し、バイオフィルムを形成させる。バイオフィルムを形成したシリコンディスクは生理食塩水で軽く洗った後、実験に供する。バイオフィルムの形成は、サフラニン染色で確認した。また、今後、FilmtracerTM Biofilm stains(ライフテクノロジーズジャパン]蛍光顕微鏡によってもバイオフィルムの形成を確認する予定である。平行してシリコンディスクのかわりにELISPOT プレートでもバイオフィルムの形成を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シリコンシートへの緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)と表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)のバイオフィルム形成に関して試みた。本年度は、シリコンシートにたいして上記の細菌類のバイオフィルム形成に関して、サフラニン染色では確認できた。形成できたバイオフィルムに関して、効果的な除去方法の検討にいたっていないため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は緑膿菌に限定して、バイオフィルム形成されたシリコンシート上のFilmtracerTM Biofilm stainsによる染色を行い、確実にバイオフィルムが形成されたことを確認したのち、バイオフィルムの効果的な除去方法について検討していく。また、学会発表での成果の発表を目指す。
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Causes of Carryover |
予定していた計画より、遅れているため、学会等の発表に至っていない。また、必要物品の購入についても、研究の進行に伴うため、当初の予定よりも使用額が減っている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、FilmtracerTM Biofilm stainsの購入、培養等に必要な培地、プラスチックプレート、シャーレなどの購入が必要である。また、溶液等の作成において、ガラス瓶、プラスチックチューブ等の購入が必要である。また、学会発表や論文投稿における諸費用等が必要である。
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