2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K15792
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
今井 奈妙 三重大学, 医学系研究科, 教授 (90331743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福録 恵子 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (90363994)
横井 弓枝 三重大学, 医学部, 助教 (40740428)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 化学物質過敏症 / 看護相談室 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学物質過敏症看護相談室を継続運営したが、大学内での正統な運営が困難となり、10月よりトータルヘルスセンター内に移設した。webサイトは、相談室の移設とともに新設し、現在、テスト公開中である。看護相談件数としては、平均月1件程度の面談希望があり、随時、メール相談も継続している。
個別相談の内容としては、「化学物質過敏症かどうかを知りたい」、「化学物質過敏症患者が安心して住める住環境について知りたい」、「道路の新設によって排気ガスで苦しんでいる」等があり、その他、患者団体からのサポート要請もあった。看護相談室における看護師の支援役割に関するテキストマイニングの分析結果としては、過去に質的研究で明らかにしてきた内容と相違が無いことが明らかになった。また、相談中の言葉のやり取りで、相談者と看護師の双方が最多用している言葉は、「人」であった。しかし、テキストマイニングでは、「人」という言葉が含む状況の多様性を分析し切ることは不可能であり、内容分析による対処を行った。現在、本研究結果については、論文公表の準備段階である。
また、看護相談室の参加観察法による研究は、平成27年度中には2事例のデータ収集を行った。現在、結果を分析中であり、継続して追加データ収集を行っている。化学物質過敏症患者の看護支援に関する文献レビューに関しては、文献数が少なく、理論構築のエビデンス強化のために、最多の相談内容である住環境に関する問題をテーマとしたフォーカスグループインタビューを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
化学物質過敏症患者への支援に関する文献数が少なく、理論構築のためのエビデンスが看護相談室を運営してきた研究者の経験知に偏る傾向があることを懸念し、その対処法を試行錯誤しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、海外の研究者との情報交換を進めながら文献収集を行っており、理論構築の作業を進めていく。さらに、構築した理論の妥当性の検証を行うため、看護相談における倫理的側面にも焦点を当てて患者支援のマニュアルを検証することを考えており、看護相談室で活用できるところまでを目標としたい。
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Causes of Carryover |
Webサイトの構築は行ったが、現在テスト公開中であり、細部のメンテナンス費用分が残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度(H29年度)でwebサイトのメンテナンスに使用する予定である。
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Research Products
(5 results)