2016 Fiscal Year Research-status Report
看護系大学院生のための英語論文作成用統計教育及び視覚的統合学習支援システムの検討
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15K15794
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| Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
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Principal Investigator |
中野 正孝 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 教授 (00114306)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 洋一 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 名誉教授 (90113969)
福井 龍太 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (50555480)
西出 りつ子 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (50283544)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 看護系大学院 / 看護系大学院生 / 統計教育方法 / 統計教育教材 / 英語論文作成 / 視覚的学習 / 統合的学習支援 / 学習支援システム |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き看護教育・研究に必要な統計的方法や教育方法についての基礎的データの収集と詳細な分析を継続した。そして、国内だけでなく、米国におけるコンピュータを活用した統計に関する学会に参加するとともに統計教育及びシステムに関する現地調査を行った。過去3年間のわが国の2つ看護学会誌と国外誌と比較した場合、わが国では、統計的方法による看護研究論文そのものが少なく、使用されている研究デザインや統計的手法等の種類も限られていることが明らかとなり、統計教育方法、研究支援体制、担当教員数の相違が大きく関係していることが現地調査などを通して再確認できた。このことは、看護分野だけでなく他の分野においても統計教育は諸外国に比べて遅れていることは学術集会やインターネットを通した情報収集からも認められた。その対策として、現在進行中の文部科学省の統計教育の学習指導要領の改定、統計関連学会連合会が公表した統計教育の参照基準などとの整合性を考慮しつつ、看護系大学・大学院における研究論文の作成を目標とした具体的な統計教育及びそのシステムのあり方・方法について検討した。
一方、英文表現・表記の統計教育教材を加え、統合化・視覚化した統計教育方法及び学習支援プログラムの作成について見直しを行い、上記の提言を具現化するために、①看護系大学への入学時における統計習熟度判定、②研究論文作成のための統計学活用のための予備知識修得、③研究論文作成のための事例による統計解析修得等の3つのコースを設定した。
さらに、学習支援システムを実際に統合的・視覚的に運用するため、汎用性があるMoodle（eラーニングシステム）搭載のサーバーの構築とテストを行った。また、学生がスマホやタブレットを利用して、学習支援システムにより学習することも考慮し、Kahoot!（Webサービス）を使った取り組みについても検討を開始した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は、インターネットによる調査、内外の看護系学会誌の論文や統計書の検討、学会の参加を含めた検討を通して、わが国の看護系大学院における統計教育の実態と問題点の基礎的知見を得た。それを踏まえて、国際的に通用する看護の統計論文の作成を目標とするために、内外の看護系学会誌の論文の比較をさらに詳細に進めることが必要であるとの見解から時間をかけて検討した。さらに、昨年度予定していた国外の統計教育及びシステムに関する現地調査については、調査地、予算や日程等の面で調整が遅れ、遂行することができなかったため、今年度に行ったことで、データの収集方法等の改善に貢献するともに、今後の本研究のあり方・方法を見直す機会を得ることとなり大変有意義であったと考える。
一方、上記の新たな情報や知見を踏まえ、これまで我々が検討してきた統計学系統型教育方法と統計学問題基盤型教育方法及びシステムの再検討を行い、学習の立場により沿ったコースの検討と試作を行った。
さらに、学習支援システムの運用のために、Moodle搭載のサーバーを独自に構築し、テストを行うとともに、スマホやタブレットを利用した学習に対応するための、Kahoot!を使った取り組みを新たに開始するなど、計画の見直しを行った。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究は、わが国の看護系大学院生が英文の統計的方法を用いた研究論文を作成するために必要な基本的な知識・技術・表現を修得するための統計教育方法を検討するとともに、学習支援システムを開発することであった。しかし、本研究を通して、そうした短期的・技術的な取り組みも必要であるが、看護系大学・大学院だけでなく、課題は他の分野と共通することが多く、初等・中等・高等教育という連続した形での統計教育のあり方・方法を検討することが重要であることを改めて痛感した。そこで、看護系大学・大学院における統計教育についての当面の対策だけでなく、長期展望に基づく提言も行いたいと考える。
来年度は前者の対策の一部となるが、①看護系大学への入学時における統計習熟度判定、②研究論文作成のための統計学活用のための予備知識修得、③研究論文作成のための事例による統計解析修得等の3つのコースをベースに、統合化・視覚化した統計学教育方法及び統合・視覚化統計学学習支援システムを試作品として完成させる。そして、開発した教育方法及びシステムの有効性や問題点を検討し、実用化するために、実際の授業や講習会に取り入れ検証する。さらに、大学院生や教員の評価を含め、運用上の利点や問題点などを明らかにし、統計教育のあり方・方法の見直しと改善に貢献していく予定である。
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| Causes of Carryover |
今年度は、学習支援システムの使用上の問題点や改善点などを検討するため、専門家の協力を得て、Moodle搭載のサーバーを独自に構築し、システム開発に貢献することができた。しかし、あくまでテスト用サーバーであり、インターネットに接続し、実際に運用するためには、機器の性能とセキュリティー対策に限界がある。そのため、サーバーの性能の向上やセキュリティー対策を強化したサーバーへの改造あるいは新設と運用のために必要となる経費を確保するために、物品費を留保した。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度も、上記のテスト用サーバーを改造しながら、開発中の学習支援システムの試作品のテストを続行し、運用上の問題点など基本的な課題検討を続行する。そのための部品やソフトの更新のために使用する。さらに、実際に複数の学生がインターネットを通して、試作した学習支援システムにアクセスし、問題なく学習することができる環境を整備するためには、さらに高性能でセキュリティー対策を強化した新しいサーバーを用意する必要があるため、次年度予算に組み入れて対処する予定である。
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Research Products
(3 results)
