2015 Fiscal Year Research-status Report
看護技術における手指接触力の可視化とウェアラブル学習システムの開発
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15K15805
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
真嶋 由貴恵 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70285360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 正夫 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60223046)
前川 泰子 関西福祉大学, 看護学部, 准教授 (60353033)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 注射技術 / 暗黙知 / 学習支援システム / 補助指 / 接触圧センサー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,静脈注射・採血技術における「熟練の技(わざ)」や「コツ」などの「暗黙知」を体得するために,これまで分析対象の盲点となっていた器具を持たない補助的な役割の手指に着目をして,血管への刺入をしやすくするための接触圧を分析し,それをリアルタイムに可視化する.その上で,初学者が刺入しにくい血管における「技(わざ)」を目前で模倣しながら学習できるウェラブル学習支援システムを開発することを目的とする. この目的を達成するために,本研究は次の3段階の進行計画を立てている.1.静脈注射技術において,補助側の手指にセンサを装着し,血管への刺入を行いやすくするための接触力を分析する.2.学習コンテンツとしてわかりやすく可視化する方法を検討する.3.ウェラブルメガネを用いてリアルタイムに学習を支援するシステムを検討し,開発する. 今年度は,1.について熟達者(看護師)と初学者(看護学生)を対象にし,静脈注射技術実施時の補助手指の接触力データを収集した.まず,本実験に先だって,パイロットスタディを実施し,正確なデータの収集・分析方法について吟味した結果,センサーシートからの圧データとメッシュによる皮膚の進展画像データを対象とすることにし,被験者の募集を行い,実験を行った.該当指に関する認識についてインタビュー調査を行った結果,被験者のほとんどが,技術実施時にはあまり意識していないことが明らかになった.接触圧については,看護師の特徴,被験者間での差が見られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的を達成するために,3段階の計画のうち,実験によるデータ取得は終了しており,データ分析中である.学習コンテンツの検討も始めている.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は昨年度取得したデータの分析を行い,学習コンテンツとしてわかりやすく可視化する方法を検討する.例えば,時系列に接触圧をグラフ表示する,技術映像との対応を取りながら圧の表示をさせるなどを考えている.リアルタイムの学習を支援するシステムを検討し,開発に向けた準備を行う. 本研究ではリアルタイムでの学習支援システムの構築を目指しているが,開発費用が予算内に収まらない可能性がある.そのためシステムの仕様要件の洗い出しと主要部分の開発を行う予定である.
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Causes of Carryover |
接触圧測定用の機器(データ分析ソフト含む)が当該予算内では購入できず,データ取得部分のみを自作したため,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ取得部分が簡易なため,故障が多い.そのためセンサなどの消耗品購入に充当する.また,今年度はデータ分析にかかるソフト開発費用が必要となる.
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Research Products
(11 results)