2017 Fiscal Year Research-status Report
化繊タオルにおける生地表面の凹凸の違いが及ぼす清拭効果の検討
Project/Area Number |
15K15808
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
松村 千鶴 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (50331864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深井 喜代子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70104809)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 化繊タオル / 粗い目タオル / 細かい目タオル / 全身清拭効果 / 健康者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,実践の場での化繊タオルを用いた安全で快適な清拭技術を確立するための基礎的研究として,化繊タオルの生地表面の形状の違い(粗い目,細かい目)が清拭効果に及ぼす影響を,主観的,客観的評価指標で比較検討することである。方法:研究デザインは準実験研究。研究対象には同意が得られた健康男子15名(20.2±0.9歳)とし,異なる日に,化繊タオルの生地表面の形状の違い(粗い目:7メッシュ/ 平方センチたい,細かい目:22メッシュ/ 平方センチ)以外の条件を可能な限り揃えて陰部を除く全身清拭を実施した。評価指標には深部温,皮膚温,血圧,心電図(心拍変動),皮膚の水分量,油分量およびpH,清浄度,気分を知るためにPOMS短縮版,覚醒度とリラックス度のVisual Analogue Scale,タオル素材の肌触りについてスケールを用いた。本研究は所属施設の倫理委員会の承認を得て行った。結果および考察:全身清拭効果を主観的評価で比較すると,両者ともに清拭終了後に覚醒度の低下とリラックス度の増大が有意に認められたが,粗い目タオルでは肌触りで1項目が高評価であり,POMSで4項目の評点が有意に減少したのに対して,細かい目タオルでは顕著な変化がなかった。客観的評価では,両者ともに清拭終了後に皮膚の水分量の増加,油分量・pH,清浄度の低下と,開始から終了15分後まで心拍数の減少,副交感神経の上昇,さらに開始から終了30分後まで深部温,皮膚温の上昇がいずれも有意に認められ,保湿性,保温性,快適性は同様であった。結論:生地表面の形状の違いによる全身清拭効果を総合的に判断すると,粗い目タオルのほうが細かい目タオルに比べ若干ながら主観的心地よさをもたらす効果に優れていることがわかった。世界看護科学学会(バンコク)で発表し,今後論文投稿を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
タオルの形状について,化繊タオルの生地表面の粗い目,細かい目,以外にも,使い捨ての綿タオル(生地表面がガーゼで顕著に粗い)と化繊タオルの粗い目タオルについても実験的に比較した。その結果を学会発表,論文投稿する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
タオルの生地表面の形状について,より粗いものが快適性がある結果が出ている。今後,生地表面の粗さが顕著な試供品を業者に作成してもらい,臨床において入院患者の清拭効果を検証する。臨床における清拭効果が検証できれば学会発表,論文投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)タオル素材の選択と,実験によるデータ収集,解析に多くの時間を費やしたことで,遅れ気味となり人件費の使用が少なかった。(使用計画)今後,業者に素材の試供品作製をしてもらい追加実験を行い,学会発表,論文投稿を予定している。
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