2016 Fiscal Year Research-status Report
国際看護教育における「文化コンピテンス」のアセスメント手法の開発
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15K15814
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
忍田 祐美 創価大学, 看護学部, 助手 (00721135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 諭 創価大学, 看護学部, 教授 (70463974)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 文化コンピテンス / アセスメントツール / 異文化理解 / 看護学士課程教育 / 国際看護研修プログラム / Cultural competency / Cultural competence / Cultural awareness |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度に研究者が実施し得た成果としては大きく二つあり、一つはこれまでの研究結果を論文にまとめたこと、もう一つは米国での教育実践の視察とインタビューによるデータ収集を行ったことである。一つ目については、異文化理解を深めることを目的の一つとして実施された国際看護研修に参加した学生が得た学びを質的研究として論文に発表した。研修前に行われた事前学習から研修に至るまでのシークエンスの学びの中で、学習者がどのような学びの変化をもたらしたか探求した研究結果は、異文化能力についての理解を深め、「文化コンピテンス」という概念を明確にするためにも大切なデータとなった。また、研究者は平成29年3月に、米国カリフォルニア州のカリフォルニア大学サンフランシスコ校に赴き、様々な異文化背景を持つ患者のケアがどのように行われているか、またその教育について現地にて3名の教員にインタビューと視察を行った。多様性を持つ患者の終末期看護のケアについて、多職種間協働における異文化理解の能力を育む教育について、またシミュレーションやシナリオを使っての学習方法の効果などについての情報が得られた。得た情報は、「文化コンピテンス」の教育への示唆となり、また「文化コンピテンス」の能力を測る尺度の開発の質問紙表作成のために有益なデータとなった。今後は全国における看護学部で、どのような学習目的を掲げて異文化理解を育んでいるかをまとめながら、「文化コンピテンス」の概念を広く考察し、尺度開発を進めていくことを計画としている。そのためにも、尺度の信頼性と妥当性について専門的知識を持つ教員に指導を仰ぎながら当初の研究計画どおり進めて行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基礎看護教育を受けている学生の文化コンピテンシーの概念についての明確化と、それを図る尺度の信頼性と妥当性の確立に時間を必要としているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでにわかったことを踏まえて、実際に尺度開発にいたるプロセスで肝要となってくる測る能力の概念の明確化と、その尺度の信頼性と妥当性を専門的知識を持つ教員に指導を仰ぎながら進めて行く予定である。
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Causes of Carryover |
成果報告のための学会発表にかかる費用を当初見越していたが、来年に持ち越されたため。そして、学会投稿費用として立てていた予算は、学内紀要への投稿となったため、考えていた額の資金が費用とされなかったため。また、人件費・謝金は平成28年度の研究計画では必要としなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、国内の学会発表ならびに海外の学会発表を行っていくことを計画しているため、予算として申請した額を使用していきたい。また、人件費・謝金は次年度のデータ入力にかかる費用として使用して行く予定である。
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Research Products
(2 results)