2017 Fiscal Year Research-status Report
原発災害による生活の拠点の移動が及ぼす子どもを持つ母親の健康支援のモデル案の構築
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15K15815
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
内木 美恵 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (50712543)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 原発災害 / 避難生活 / 母親 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究3:「福島県の原発災害により生活の拠点を移動し、困難な体験をした子どもを持つ母親に(研究2で抽出された母親)、発災後4年目(平成28年)、5年目(平成29年)と経時的に生活や健康に関する体験や思いなどの語りをナラティブ分析し、課題の背景と要因を明らかにする。」に関する研究活動を行った。平成29年4月時点で4名が参加を承諾し、インタビューが完了していた。その後も研究参加者を募り、2名の母親が説明を希望し、電話で概要を話した。面接の日取りを決めるものの、その後、断りの連絡があり実施ができなかった。理由は、現在は話したくないとのことであり、それ以上のことは聞くことができなかった。その後も10月までネットワーキング法などで募ったが、集まらなかった。そのため、4名の母親の追加インタビューを行い、データの補充を行った後、分析を行った。被災から4~5年目の体験として、乳幼児と共に避難した母親は、子どもが小学校など学校に入学していた。子どもの成長に伴い、新たな困難を抱えていた。それは、子どもが原発事故で避難してきたためにいじめにあうのではないかという心配、避難先または定住先で自身が避難住民であることが周囲に分かることで差別の対象になるのではないかという不安があった。この結果は、日本助産学会で発表した。 研究4:「チェルノブイリ原発事故により生活の拠点を移動した子どもを持つ母親の生活や健康に関する課題を明らかにし、福島の例との共通性や特異性を明らかにする。」に関する研究活動を行った。東欧から西アジアをフィールドとして活動する教育学学者に助言を受けている。ウクライナでの研究活動を行う方を紹介していただくようにお願いした。また、国際赤十字のネットワークで、ウクライナ赤十字の方を紹介していただけないか、担当者と調整した。これらの調整活動は現在も行っている。また、文献による研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究3については、研究参加者を増やしたいと考えて昨年リクルートを行ったが、インタビュー実施には至らなかった。 研究4については、対象者が探せない状況にあるため、実施できていない。様々な知り合いを通じて、調整を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究3については、再度研究参加者の募集を行い、対象者を6名以上とすべく、リクルートを行う。まとめたものを論文として作成し、投稿準備を行う。 研究4については、対象者を探し、インタビューを行う。インタビューはベラリューシュ、ウクライナ、ヨーロッパなど所在地に出向いて行う。1名でも参加者が得られ、インタビューが行えたら、ケーススタディとして分析し、学会での発表準備を行う。対象者が見つからない可能性があるため、現在行っている文献検討をまとめ、学会で発表する。学会は、第22回EAFONS(East Asian Forum of Nursing Scholars)を考えているが、まとめが間に合わない場合は、日本助産学会で発表する。
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Causes of Carryover |
研究3については、対象者を探し、要旨の説明は行ったが、参加承諾が得られなかった。今年度は、再度リクルートし、対象者を探し、インタビュー承諾を得る。 研究4については、実施できていない。インタビュー対象者を探し、インタビューするために、旅費、翻訳、通訳、逐語録作成を行う。
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