Supporting patient's decision making to find right access to medical care in healthcare facilities with emergency medical services in Japan

2016 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 15K15817
• Research Institution: Tokyo Ariake University of Medical and Health Sciences
• Principal Investigator: 臼井 美帆子 (笹鹿美帆子) 東京有明医療大学, 看護学部, 講師 (90292565)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山内 豊明 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (20301830)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: トリアージ / 受診科決定支援 / 看護師 / コンピテンシー

Outline of Annual Research Achievements

受診科決定支援者に必要とされる要件抽出のため、以下の方法を用いて研究を進めた。
１．受診科決定支援を行う看護師の能力に関する記述を文献の中から抽出した。文献検索エンジンとしてMendeleyを使用して文献検索を行った。triageをキーワードに過去５年間のJournalに絞り検索した結果、142文献がヒットした。２人の研究者がその142文献の抄録に目を通し、看護師の行うトリアージに関する文献３７文献を抽出した。３７文献を精読した結果、トリアージを行う看護師のコンピテンシーについて記述のある５文献が抽出された。今後、下記のヒアリング調査および前年度に行った実態調査の結果とともに、質問紙作成を行っていく予定である。コンピテンシーの概念整理には、松谷ら（2010）が明らかにした、看護実践能力の７要素の分類、及びその上位の主要能力構造を用いる予定である。松谷ら（2010）による看護実践能力は、①人々を理解する能力（知識の適用力、人間関係をつくる力）、②人々中心のケアを実践する力（看護ケア力、倫理的実践力、専門職間連携力）、および看護の質を改善する力（専門職能開発力及び質の保証実行力）である。
２．ヒアリング調査：受診科決定支援に携わった経験のある、外来看護管理者２名と事務職１名にヒアリングを行った。ヒアリング項目は、バックグランドデータ、受診科目決定支援の現状、事務職が行う受診科決定支援として妥当と思われる範囲と難渋したケース、看護師が行う受診科決定支援として妥当と思われる範囲と難渋したケース、受診科決定支援に関する自由意見、について半構成質問紙をもとにヒアリングを行った。
引用文献：松谷美和子、三浦友理子、平林優子、住居由美、卯ノ木健、大隅香、他８名.（2010）看護実践能力：概念、構造、および評価.聖路加看護学会誌.Vol.14.No.2.

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

当初の計画では、受診科決定支援時の病院職員の役割分担についてのコンセンサスモデル構築をデルファイ法による意見収斂をもとに行う計画であったが、エキスパートパネルの選出に難渋し、妥当性の確保が難しいという結論に至り、研究計画変更を余儀なくされたため、計画通りに進まず、遅れている。

Strategy for Future Research Activity

新たな計画として前年度（H２７年）の実態調査結果に基づき、受診科決定支援を行う機会が多い看護師について、そのコンピテンシーについてデルファイ法を用いて意見収斂する予定である。

Causes of Carryover

平成２８年度は研究計画に矛盾が生じたため、計画変更を行った。そのため、使用予定額が当初の計画より下回り、結果として次年度使用がが生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成２９年度では、受診科決定支援を行う看護師のコンピテンシーについて質問紙の作成、内容妥当性の検証、表面妥当性の検証、及び３回にわたるデルファイラウンドを行う予定である。よって、それらに伴う質問回答者への謝礼、印刷代、郵送費、統計学的なアドバイス、専門的知識の提供、学会発表に伴う旅費、参加費などに充当する予定である。