2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K15819
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
炭谷 正太郎 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (90516692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 順子 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (00175134)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | PICC / 輸液看護 / 技術プログラム / 特定行為 / がん化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年10月より看護師の研修制度が開始されているPICC挿入は、末梢静脈から穿刺し、長いカテーテルを腋窩静脈、鎖骨下静脈を経由して上大静脈に先端を位置させる技術である。PICC挿入は上腕の深部静脈への挿入と、中心静脈にカテーテルを送る技術を要し、研修プログラムの体系化が求められている。PICC技術の実践者2名およびがん化学療法認定看護師8名にヒヤリングを実施した結果、看護師がPICC技術を実践する上で技術的な課題は、①超音波画像診断装置(エコー)を用いた穿刺、②静脈血管の切開、③X線レントゲン撮影によるカテーテル位置の確認にあることが明らかとなった。 また、PICCを患者に適応する判断、輸液実施中の観察も含め、安全・安楽を重視した技術プログラムの構築が必要であるとの示唆を得た。 PICC技術のカテーテルシミュレーターを用いて検討した結果、PICC挿入技術において看護師にとって最も巧緻性が高く課題となるのは超音波画像診断装置の操作であった。 超音波画像診断装置の扱いも含め、比較的短期間のレクチャーと研修によって習得できる技術プログラムを構築する必要がある。 技術プログラムの骨子は、PICCに関するレクチャーの受講、カテーテルシミュレーションモデルを用いたシミュレーショントレーニング、トレーニング終了後のデブリーフィングとし、この技術プログラム案を今後検証してゆく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PICCを患者に適応する判断、輸液実施中の観察も含め、安全・安楽を重視した技術プログラム案の構築を完了している。今後、技術プログラム案を検証してゆく。
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Strategy for Future Research Activity |
PICCに関するレクチャーの受講、カテーテルシミュレーションモデルを用いたシミュレーショントレーニング、トレーニング終了後のデブリーフィングを骨子としたプログラム案を、認定看護師の協力の元、有効性を検証してゆく。対象はがん化学療法認定看護師30名程度とし、PICCトレーニングセミナーを実施・評価する。プログラムは、トレーニング終了後、デブリーフィングにより知識上の課題、血管アセスメントに関する課題、PICCの挿入操作に関する課題、画像診断に関する課題について、対象者であるがん化学療法認定看護師のインタビューから抽出する。また、PICCシミュレーション手技をビデオ録画し動画分析する。観察内容は準備、血管アセスメント、PICC挿入、ドレッシング固定までを録画する。 対象者は各自の録画を再生し、自身の課題を言語化する。以下のアセスメントに基づく静脈注射投与ルートの判断や挿入技術などに着目する。 1.アセスメント項目:患者状態、輸液期間、輸液内容、血管状態(どのような場合にPICCが適しているか判断するための知識の学習) 2.血管アセスメント技術(触診および超音波画像診断装置の扱い) 3.血管切開を含むカテーテル挿入技術 4.X線レントゲン撮影によるカテーテル位置の確認に関する知識 5.輸液実施中、実施後の合併症など安全、安楽に関する知識
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Causes of Carryover |
PICC技術に関する研究成果を学術集会にて発表する予定であったが、対象者の募集に時間を要したためデータ分析が年度内に間に合わず、次年度に実施する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
PICC技術に関する研究成果を学術集会にて発表する予定である。
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