2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K15819
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
炭谷 正太郎 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (90516692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 順子 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (00175134)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | PICC / 看護技術 / 技術プログラム / 輸液看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
PICC(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル)の挿入は、末梢静脈から穿刺し、長いカテーテルを上大静脈に先端を留置させる技術である。PICCは 看護師が実施する場合、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が必要とされる特定行為(38行為)の1つである。 現在、日本国内で最も使用頻度が高い中心静脈カテーテル(CVC)の穿刺挿入は主に医師が実施している。新生児・未熟児は成人に比べ、マルポジションや気胸、血胸など穿刺時等の機械的合併症が起こりやすく、CVC より PICC が選択されることからも、静脈血管の細い患者や、細胞毒性の強い輸液内容を使用する際に PICC は適した方法であるといわれている。また、PICC は鎖骨下穿刺で挿入したCVCに比べてカテーテル関連血流感染 (CR-BSI)が少なく、PICC の有用性が示唆されており、今後、日本国内において成人を対象とした輸液治療にさらに適応が拡大されることが予想される。挿入時や輸液中の安全性が高いことから、今後より多くの看護師がPICC挿入を担うことにより、安全・安楽な輸液実施が可能になると予想される。 PICCの挿入は特定行為として、指定された研修を経た看護師に実施が認められているが、技術プログラムは確立されていないのが現状である。PICC挿入を看護師が担ううえでトレーニングプログラムの体系化が求められている。 2017年2月、がん化学療法看護認定看護師28名を対象に、カテーテルシミュレーションモデルを用いたトレーニングを実施した。トレーニングプログラムはPICCに関するレクチャーの受講、シミュレーションモデルに対する実施、ディブリーフィングを骨子とした。また、シミュレーションモデルに対する実施およびディブリーフィングの際に録音・録画した。 さらに、参加者にアンケートにて各技術項目の主観的難易度を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
がん化学療法看護認定看護師を全国から募集し、応募した28名を対象としたシミュレーショントレーニングを実施した。PICCの挿入およびディブリーフィングの場面の録音・録画データ、アンケート調査にて各技術項目の主観的難易度を収集した。
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーションモデルに対する実施およびディブリーフィングの際に収集した録音・録画データを基に、行動レベルで示した技術項目の到達度を客観的に評価する。 また、アンケート調査にて収集した各技術項目の主観的難易度を評価する。 これらのデータを分析することにより、看護師がPICCの挿入技術を担う上での技術的課題を明確にする。
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Causes of Carryover |
看護師がPICCの挿入技術を実施する上での技術的課題を明らかにするための分析が完了していない。次年度、トレーニングプログラムを確立するために、音声・録画記録およびアンケート調査から得られたデータの分析を継続してゆく。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
録音・録画データおよびアンケート調査の分析に関わるデータ入力に使用する予定である。
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