2015 Fiscal Year Research-status Report
自己調整学習を促進するモーションキャプチャー利用ボディメカニクス教材の開発
Project/Area Number |
15K15822
|
Research Institution | Osaka Shin-ai College |
Principal Investigator |
井内 伸栄 大阪信愛女学院短期大学, その他部局等, 講師 (30701867)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 博之 大阪信愛女学院短期大学, その他部局等, 教授 (00203448)
田中 希穂 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40399043)
籔内 順子 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 助教 (60751112)
小林 菜穂子 四條畷学園大学, 看護学部, 助教 (80751114)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | e-Learning / 基礎看護技術 / 自己調整学習 / 看護学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚で捉えて学ぶことに慣れている学生にとって,ビジュアルなe-Learning教材は効果的な自己学習支援システムである.基礎看護技術教育においても対面学習と組みあわせた効果的なe-Learning教材の提供が望まれる.平成27年度は探究心をもちながらボディメカニクスの原理やその活用方法を理解するための教材作成に向けて車椅子移乗を題材に検討した.標準体型に近い看護師7名と学生8名が模擬患者に対してベッドから椅子への移乗援助動作を行った.援助作業において患者の体の大きさやベッドの高さなど設備環境が援助者の体勢に及ぼす影響を検討した.使用ベッドの高さを援助者の身長の35%と45%,標準体型に比べて身長と体重が比較的小さい模擬患者と比較的大きい模擬患者の2x2条件で,腰・膝・足首・肩にカラーマーカーを付けた援助者が模擬患者のベッドから椅子への移乗を援助した.開始から終了まで60Hzで収録を行った映像を三次元動作解析システムを用いて分析し,看護師・学生グループ毎に腰の高さと躯幹の傾きに及ぼすベッド高さ2条件および模擬患者の体格2条件の影響を検討した.その結果,看護師は,模擬患者の体格に影響されることなく,ベッドの高さに応じて腰を落として援助するのに対し,学生は大柄の模擬患者にはベッドが低い場合でも比較的腰の高い姿勢で援助した.模擬患者体型が姿勢に影響する本結果を反映したスティックピクチャー映像をe-Learning教材に組み込むことを検討する.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動作解析において,マーカー追跡による座標確定精度の確認が必要であった.また,ベッドから椅子への移乗援助動作を行う被験者(看護師)と模擬患者の一部の身体部位が重なるために,被験者が装着したマーカー追跡および座標の信頼性確認に想定外の時間を要した.
|
Strategy for Future Research Activity |
援助動作映像およびスティックピクチャー映像を組み込んだe-Learning教材を完成させる.基礎看護技術を履修する学生から調査対象者を募り,車椅子移乗を学習するタイミングで当教材を提供する.調査対象者には,自己調整学習・自己効力感などの項目を含む質問紙調査を実施するとともに,教材使用後に,教材使用時間,理解度,教材に関する感想などを調査し,教材使用の効果について検討する。また,同じ調査対象者に,自己調整学習・自己効力感の質問紙調査を継続的に実施し,教材使用の学習面への効果についても検討する。
|
Causes of Carryover |
実験データの分析に時間を要したために前年度内に十分な結果の検討ができなかった.そのため,結果に関する資料収集や発表に至らなかった.本年度,得られた結果に関する資料収集,結果を受けて行う調査の準備,成果発表を行うために繰り越すこととした.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度(平成28年度)は本年度得られた結果を受けて行なう調査の準備や資料収集,また,得られた成果について学会やシンポジウムで発表を行なうため,主に資料収集と学会・シンポジウムの参加費にあてる。
|