2015 Fiscal Year Research-status Report
がん患者の就労に係る自己評価ツールの活用とQOLに与える効果の検討
Project/Area Number |
15K15825
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水野 道代 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70287051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 純 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70259307)
浅野 美礼 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00273417)
杉本 敬子 筑波大学, 学内共同利用施設等, その他 (50700548) [Withdrawn]
笹原 朋代 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70528223)
山下 美智代 筑波大学, 医学医療系, 助教 (90633230)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | がん患者 / 就労 / QOL / 自己評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、がん患者が自分の健康状態を適切に評価しながら、就労のニーズとその課題を医療者と共有することが、患者のQuality of Life (QOL)に与える効果を検討することにある。H27年度は、がん患者自身が就労のニーズやその課題に関連する事柄を系統的にアセスメントし、その結果をタイムリーに医療者と共有するために使用する自己評価ツールを開発するために、まず、がん患者の就労に関するニーズアセスメントを実施した。 消化器外科・内科外来に通院するがん患者136名を対象(平均年齢64.1 歳;SD=12.1)に、QOLを含む健康指標(自己評価ツールにおけるアセスメント項目にあたる)に関するアンケート調査を実施した結果、就労についている患者とついていない患者では、QOL尺度における健康機能に有意な差(t=2.58, p=.01)があることが分かった。ただし、治療状況や既往症の有無による差は認められなかった。これらの結果と文献を用いた既存の研究結果を基に、自己評価ツールにおけるアセスメント指標の構造を構築した。さらにアセスメント指標の構造の妥当性を確認するために、入院治療を終えたがん患者の就労状況がQOLにもたらす影響を明らかにするより構造的な調査研究を組み立て、3月の段階では、実施のための倫理審査を終えたところである。 本研究では、がん患者の就労のニーズを、働く動機と働くことの機能を含めた幅広い視点でとらえていることを、本研究の斬新性の一つとしてとらえ計画を進めている。本年度の調査により、就労という社会参加の重要性が明らかになり、これから先の調査により、働くことの意義がさらに明らかになることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
がん患者自身が就労のニーズやその課題に関連する事柄を系統的にアセスメントし、その結果をタイムリーに医療者と共有するために使用する自己評価ツールを開発するためのニーズアセスメントが予定通り進行したため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、がん患者の就労状況がQOLにもたらす影響を調査研究により明らかにした上で、具体的な自己評価ツールの作成とその実用可能性評価を実施していく。
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Causes of Carryover |
調査の準備、実施に対して補助者を雇用する計画であったが、研究分担者らが夏季期間を使用して最大限のエホートを割くことで、調査を実施することができたため、H27年度の調査に関する人件費をH 28年度の調査で使用することが可能となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H28年度2月より計画進行中の調査においては、4月以降の調査において補助者を雇用することで、調査を滞りなく進めるために、H27年度からの繰り越し予算を人件費として使用する計画である。
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Research Products
(1 results)