2015 Fiscal Year Research-status Report
術前術後の睡眠活動指標に基づく高齢患者せん妄発症予防支援プログラムの開発と検証
Project/Area Number |
15K15829
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮脇 郁子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (80209957)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 奈緒 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (20403298)
尾崎 章子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30305429)
多留 ちえみ 神戸大学, 保健学研究科, 研究員 (90514050)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 術後せん妄 / 睡眠 / 身体活動 / 周手術期看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢患者における術後せん妄発症は、その症状により治療や看護が困難になり、特に認知力低下により転倒・転落、ライン類の抜去等の事故につながり、入院期間の延長や死亡率および医療費増大に繋がるなどその対策は喫緊の課題である。本研究では、睡眠と活動指標の可視化が可能なライフ顕微鏡を用いて、術前術後の睡眠活動指標を経時的に把握し、これらの指標とせん妄発症との関連分析に基づいた、術前から始める高齢患者せん妄発症予防支援プログラムを開発し、その効果を検証することを目的としている。27年度は、術前・術後の睡眠・活動指標による術後せん妄発症との関連を明らかにするために、まず、65歳以上の健康高齢者の睡眠・活動状態について、ライフ顕微鏡を用いて調査を行い、現在分析中である。また、プレテストとして、65歳以上の整形外科術後患者の術前術後の睡眠状態(主観的評価も含む)および食事時間などの規則性とせん妄発症との関連について検討した。その結果、分析中ではあるが、術前の生活リズムが規則的な患者では、不規則な患者にくらべて、せん妄に至る様々な症状が一時出現するも、早期に改善する傾向にあることが明らかになった。これらのことから、術前の睡眠活動などの生活リズムと術後の睡眠状態、ならびにせん妄発症との関連がある可能性が示唆された。そこで、28年度の本調査にむけて、睡眠活動指標の調査に用いる測定用具およびその他の評価指標について、文献検討すると共に、臨床現場での調査の適切性を検討するために、フィールドワークを行い、本調査に関する計画書を作成した(研究倫理委員会に申請中である)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度にプレテストおよび健康高齢者を対象とした調査を行い、本調査の研究計画について、所属大学の倫理委員会に申請中である。承認が得られ次第、本調査を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、せん妄発症のリスクの高い、心臓血管手術をうける高齢患者を対象に、術前術後における睡眠活動をはじめとする生活リズムに関する経時的な調査を行い、せん妄発症の関連について検討していく。
|
Causes of Carryover |
本調査を28年度に行うために、調査に用いるライフ顕微鏡などの機器の購入が必要であるため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
睡眠活動調査に用いるライフ顕微鏡の購入あるいはレンタル、およびこれまでの調査結果の分析および英文論文の校正費などに用いる。
|