2015 Fiscal Year Research-status Report
病的ギャンブリングに関連する要因とリスク判断のためのアセスメントツールの開発
Project/Area Number |
15K15831
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
新井 清美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (50509700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 展彰 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10251068)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 病的ギャンブリング / 早期発見 / 早期介入 / 予防教育 / アセスメントスケール |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、我が国における病的ギャンブリング、およびギャンブラーの特徴を明らかとすることを目的とし、2014年8月~12月の期間にぱちんこ依存問題相談機関に電話相談のあった1,236件のうち、病的ギャンブラー本人からの相談であり、かつ無言電話、病的ギャンブリングに関わる情報の問い合わせを除く862件(男性66.6%、女性23.4%)の相談内容について分析を行った。 相談者の年齢は平均37.7歳(SD:12.1)、ギャンブル開始年齢は平均22.5歳(SD:8.5)、借金をするなどしてギャンブルが問題化した年齢は平均29.9歳(SD:11.5)であり、ギャンブルを開始してから平均7.2年で問題のあるギャンブルをするに至っていた。また、病的ギャンブリングのスクリーニング・テストであるSOGS(the South Oaks Gambling Screen)簡易版において、相談者の98.3%が問題ありと判定される2点以上を示していた。これに加えて、電話相談を受けながら相談員が書き取ったメモを質的帰納的に分析した結果、病的ギャンブリング、およびギャンブラーの特徴を示す118項目が抽出され、共通性と類似性の観点から6つの内容に分類された。その内容は、【ギャンブルをする理由】に関する44項目、【ギャンブルをするパターン】に関する25項目、【ギャンブルをするための資金】に関する8項目、【ギャンブルをした後に生じる結果】に関する29項目、【ギャンブルをしないための工夫・対処】に関する5項目、【家族の状況・対応】に関する7項目であった。 本年度得られた成果は、ギャンブルをする引き金と、節度のあるギャンブルから病的ギャンブリングへと問題を深刻化させるリスクを網羅的に明らかとした。この成果は、病的ギャンブリングへの予防教育や、早期発見・介入のための貴重な資料としての活用が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の計画は、病的ギャンブリングの特徴の抽出と、病的ギャンブラーの特徴に関する項目の検討であった。 当初の計画に沿って、ぱちんこ依存問題相談機関の電話相談データべースに記載されたデータの収集、および分析を行った。これに加えて、これまで行ってきた調査のデータを再分析することで、病的ギャンブリングと、ギャンブラーの特徴を抽出し、アセスメントツールに取り入れる項目を検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
病的ギャンブラーに移行しやすいリスク要因の検討をするため、病的ギャンブラー、病的ギャンブラーの家族それぞれに対してフォーカスグループインタビューを行う。このデータを分析し、平成27年度の成果と合わせてアセスメントツールの項目を洗練する。
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Research Products
(3 results)