2016 Fiscal Year Research-status Report
病的ギャンブリングに関連する要因とリスク判断のためのアセスメントツールの開発
Project/Area Number |
15K15831
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
新井 清美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (50509700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 展彰 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10251068)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ギャンブル障害 / 早期発見 / 早期介入 / 予防教育 / アセスメントスケール |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の結果を踏まえ、平成28年度は、次の2つの調査を行った。 1.昨年度の対象とは異なるギャンブラーの特徴を示すため、平成25年9月~平成28年9月の3年間に依存症回復施設に電話相談のあった221件(当事者54件、家族155件、保健・医療・福祉・司法等関係者12件)の相談内容に関する分析。 2.ギャンブル障害に移行しやすいリスク要因を検討するため、当事者20人(1グループ5人、4グループ)に対するフォーカスグループインタビュー。 電話相談を受けながら施設スタッフが書き取った記録について、当事者、家族、保健・医療・福祉・司法関係者(以下、関係者)別に質的帰納的に分析した結果、類似性と相違性の観点から次のように分類された。当事者が電話相談で語った内容は、【ギャンブルの位置づけ】【ギャンブルをするパターンと頻度】【ギャンブルが止まらない現状】【精神的に追い込まれている現状】【治療や支援を希望】【治療や支援を受けた経験】【ギャンブルをする資金源】【家族関係】の8つに分類された。また、家族が語った内容は、【追い込まれた家族の精神状態】【家族が支援を受けるための情報提供】【本人に治療や支援を受けさせることへの希望】【本人が治療や支援を受けるための情報提供】【本人への対応についての情報提供】【治療や支援に対する本人の否定的な態度】【ギャンブルとの接点(開始時期)】【仕事や学業への影響】【ギャンブルをするパターンと頻度】【ギャンブルが止まらない現状】【ギャンブルしていることを隠す】【ギャンブルをする資金源】【法に触れる行為】【治療や支援を受けた経験】【家族・家庭への影響】【本人の精神状態】の16分類であり、関係者からは担当している当事者への対応についての相談であった。 また、フォーカスグループインタビューでは、幼少期の状況や、ギャンブルの仕方の特徴等が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の計画は、病的ギャンブラーに移行しやすいリスク要因の検討であった。 この計画に沿って、ギャンブル障害を持つ者に対するフォーカスグループインタビューを行った。さらに、相談機関により相談対象の特徴(重症度や併存疾患、犯罪経験等)が異なる可能性を考慮し、依存症回復施設での調査を実施した。これらにより、リスク要因の検討のための有用なデータを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
一般集団に占める病的ギャンブラーの実態を把握するため、インターネット調査や、遊戯施設等での調査を行う。
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Causes of Carryover |
当初、見込んでいたより少ない回数で調査地でのデータを収集することができた。しかし、次年度調査では当初計画に加え、ギャンブルを提供する施設での調査を実施するための交渉、及び実施に費用を要することが予測されるため、経費を次年度に繰り越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記、施設の現地調査を行うための旅費、及びその他の経費とする。
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Research Products
(4 results)