2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a model and intervention program for the psychological symptom response to higher brain dysfunction from acute to recovery stage
Project/Area Number |
15K15842
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
粟生田 友子 獨協医科大学, 看護学部, 教授 (50150909)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川里 庸子 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), その他部局等, 看護師 (90597907) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 高次脳機能障害 / 症状対応 / 実践的対応技術 / ケア介入モデル / エキスパートナース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、第1段階で高次脳機能障害患者へのケアモデルを先行研究に基づいて作成し、第2段階で、臨床での看護師の具体的な実践場面を分析し、精神症状で混乱する高次脳機能障害の患者への症状対応モデルへと統合することを試みている。今年度は、第2段階のデータをさらに集積した。 研究対象には、脳卒中分野のエキスパートである認定看護師を選定し、面接法により、看護の実践場面を、具体的な事例をあげて語ってもらうこと、およびケアモデルを提示し、意見を求めるブレインストーミングを合わせて行った。 その結果、データは15名(男性6名、女性9名、年齢36~50歳の範囲、職位はスタッフ13名、主任級が2名)から得られ、全員が認定看護師の資格取得後2年以上の臨床経験を有した。面接は1対1およびグループで行い、面接時間は40分から90分、グループ面接は約3時間であった。 内容分析法をもとに分析したところ、ケア事例からは、急性期では、「疎通性のない患者のニーズの把握」「暴言暴力の背景にあるニーズの把握」「急性期症状の鑑別のしにくさ」「リスクの回避と安全の確保」の状況が上がり、「予測できるすべてのリスク回避をケアに盛り込む」「とりあえず自由にして行動の意味を探る」などの対応が抽出できた。回復期では、「意味不明な言動の理解」「予期しない易怒性」「他者への迷惑行為」「器物の破損の回避」などの状況が上がり、「教え・諭す」「繰り返し説明する」「約束をして行動を調整する」「行為を見守る」などの対応があった。いずれの時期にも対応の背景には、ケア目標として、「リスク回避」「安全の確保」「人間性を育てる」「社会性を再獲得する」が含まれた。 症状アセスメントの困難と対応は、十分に語れるものと、困難感を吐露するにとどまるものとが混在する傾向があり、ケア現場の手掛かりとなる症状対応モデルを示す必要があることが示唆された。
|
Research Products
(3 results)