2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of perinatal nursing and management verification to add active value to perinatal care
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15K15853
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
齋藤 いずみ 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10195977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 貴巳 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (80316017)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 周産期 / 助産学 / 経営学 / 医療費 / 分娩 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国の医療分野に、特に会計学視点からの分析が導入されたのは比較的新しく、代表的研究者としては荒井(2013, 2011, 2009, 2008,2007, 2005年)、 衣笠(2013年)がいる。特に、新井による様々な診療科の分析が試みられてきたが、これまで我が国において周産期分野の経営学的視点からの分析はほとんど実施されていない。そこで1 産科病棟を有する病院の看護部長・助産師長または看護師長に、センターの医療・看護成果および課題、特に経営面についての課題をインタビュー調査し概要を明らかにする。2 産科部門の経営収支を実証データにより明らかにする。3 入院中および退院後の実施した医療・看護と、たとえば母乳育児実施率などの医療・看護の成果と経営収支との関連を明らかにする。 産科部門の医療収益に関する分析を実施し、産科部門は採算部門か不採算部門かを明らかにしたうえで、現在実施している周産期看護の成果により、他科との収益の比較を実施した。研究以前は不採算部門という予測であったが、看護部長のインタビューからは、病院へ経営上の貢献が大きいことがわかり、重大な発見であった。産科混合病棟における産科一ベッド当たりの収入と、他科の一ベッド当たりの収入を比較し、看護部門のトップであり病院経営の最前線にいる看護部長は、ベッド回転率や一病床当たりの利益率として病院経営に貢献する産科という考えであることが明らかになった。今後は病院内入院中のみならず、産後ケアや母乳育児率など、産後のケアについても焦点をあてた分析が必要である。経営学的分析にとどまらず、助産学研究者と経営学者の協働により、医療・看護・経営面との関連性を明らかにした。これまで、看護の成果と経営的手法の関連分析は、全く実施されておらず助産学と会計学分野の新しい研究分野となり、かつ周産期医療への貢献は大きい。
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