2016 Fiscal Year Research-status Report
乳児の泣きに喚起される情動のポジティブ側面に着目した養育体験モデルの実験的検証
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15K15854
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
竹中 和子 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 講師 (90227041)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乳児の泣き / 養育行動 / mind-mindedness / 情動反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究Ⅰについて 引き続き,生後6ヶ月以下の乳児と母親を対象とした自然場面における母親視線による録画から,研究Ⅱにおいて使用する実験提示刺激(乳児泣き場面)と実験提示刺激(養育行動による乳児泣き鎮静場面)のデータ収録実施の準備を行った。 (1)継続して,研究Ⅱにおいて使用する実験提示刺激映像の録画方法および乳児音声データ収集方法の検討を行った。母親視線で撮影する方法や機器については,実際の装着感や装着時のカメラの安定性など課題が得られたので,研究協力者への負担が軽く視覚的違和感が少ない機器や固定方法等継続検討した。 (2)対象者が生後6ヶ月以下の乳児と母親ということで,タイミングよく研究協力の同意を得ることが容易でなく,前年度に引き続き,研究協力者を得るための情報収集等を行った。 2.研究Ⅱにおける実験計画の検討 関連学会において,先行して実施していた研究を発表し(" The infant behavior directing gaze toward mother in natural settings as role in supporting the development of self-regulatory functions " ICP2016 31st International Congress of Psychology /「乳児養育の視聴覚疑似体験による親準備教育効果の可能性-大学生における乳児シグナル視聴実験前後の対児感情評定尺度得点の変化から」日本赤ちゃん学会第16回学術集会),関連領域の最新の知見を得た。得られた知見,文献検討や先行して実施した乳児シグナルに対する反応実験結果についても参考にしながら,実験計画におけるフィードバックの実施方法の試行や質問紙項目の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1.研究Ⅰについて 対象者が生後6ヶ月以下の乳児と母親ということもあり,タイミングよく研究協力の同意を得ることがむずかしかった。また,研究協力者への負担が軽く視覚的違和感が少ない実施方法の検討が必要であった。 2.研究Ⅱについて 乳児の泣き場面視聴体験後の情動状態のフィードバック方法について,効果的な実施方法の検討が必要であった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.研究Ⅰ 本年度研究協力者を得るための情報収集を行い,出産後アプローチを予定してたが実現しなかったため,妊娠期からアプローチできるよう準備を整える。 倫理申請承認後,研究協力者へ研究計画について詳細に説明し,同意を得て実施する。 2.研究Ⅱ 研究Ⅰのデータが得られる時期が未定であるため,先行研究で得られた刺激データを使用し,実験計画に基づく予備実験を行う。倫理申請承認を受け,研究Ⅰにて実験提示刺激が得られた後,実験を実施する。実施時期は,研究Ⅰの成果に依存するが,2017年度中に実験を終了することを目指すこととする。
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Causes of Carryover |
研究Ⅰの研究協力者が得られていないこと,研究Ⅱの実験計画の継続検討が必要であったことから,次年度に実験を実施することとなったため,次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ分析のためのソフトウエア,実験分析のためのプログラミングサポート,データ保存のためのハードディスク,研究協力者への謝礼,先行して行った関連研究の発表や予備実験結果の発表,最新の知見を得るための学会参加費および旅費等の使用を計画している。
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