2018 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental verification of caregiving experience models: Focusing on the positive side of emotions evoked by infant crying
Project/Area Number |
15K15854
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
竹中 和子 広島大学, 医歯薬保健学研究科(保), 講師 (90227041)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 乳児 / 泣き / 情動 / 親性準備 / 成功模擬体験 / バイオフィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,乳児の泣きのポジティブ側面に着目し,親性準備期にある若年成人の養育力育成につながる養育体験モデルを実験的に検証することを目的としている。特に,乳児の泣き場面模擬体験のバイオフィードバック効果と,乳児の泣きに対する養育行動成功模擬体験による情動ポジティブ側面の効果を検証するために実験を行った。実験刺激は,当初予定していた協力者が得られなかったため既存の音声を用い,また,予備実験等をふまえ映像刺激よりリアリティのある,内蔵スピーカーを設置したベビー人形との関わりを養育行動模擬体験とした計画に至った。本年度,得られた計画に基づき成功体験群,バイオフィードバック群,統制群の3群による無作為化比較実験的観察法を実施し,9名の参加者を得た。実験はプレフェーズ,介入フェーズ,ポストフェーズから構成され,養育行動模擬体験における身体生理的変化や記述による認識について分析検討した。なお,各フェーズとも実験刺激の前後はリラクゼーション場面とし,分析では身体生理的データのベースラインとした。また,実験前後にはPOMS2や対乳児感情評定尺度等を実施した。 養育行動模擬体験場面におけるストレス指標LF/HF値が,ポストフェーズにおいて1以下だったのは成功体験群の2名であった。さらにその1名はプレフェーズよりもポストフェーズにおいてより低値で,自由記述ではベビー人形の本来変化することのない表情について記述していた。一方統制群とバイオフィードバック群各1名の養育行動模擬体験場面ポストフェーズLF/HF値は,プレフェーズより高値であった。養育行動成功模擬体験による情動ポジティブ側面の効果,対象者のmind-mindednessが高いこととの関連の可能性が得られた。対象者のレディネスや特徴を考慮したプログラム適応の必要性が考えられる。今後さらに対象者を募り,データを蓄積して検証につなげていきたい。
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