2015 Fiscal Year Research-status Report
へき地における産後ケア促進のための産後院モデルシステム開発
Project/Area Number |
15K15865
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
小西 清美 名桜大学, 健康科学部, 教授 (50360061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金城 壽子 名桜大学, 健康科学部, 上級准教授 (00520834) [Withdrawn]
長嶺 絵里子 名桜大学, 健康科学部, 助教 (00738148)
鶴巻 陽子 名桜大学, 健康科学部, 助教 (80710128)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 産後ケア事業 / 台湾 / 産後養生 / へき地 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、国内外の産後ケア事業に関する文献検討や学会等に参加し、情報収集を行った。学会は、第11回ICMアジア太平洋地域会議・助産学術集会において「今、求められている産後ケア」のワークショップに参加し、有意義な情報を得ることができた。 東京都における産後ケア施設と台湾の産後ケアセンターを視察し、沖縄県の北部地域における産後ケア事業を促進ための可能性を探究した。これらの視察した結果を名桜大学紀要第21号3月に、3編採択された。1編は、テーマ「東京における産後ケア施設の視察報告」で、東京都にある産後ケアハウスと助産院の2か所を訪問し、視察した内容の報告である。視察した2施設の特徴として、利用する地域の状況やどのような方を対象にするかで、運営(経営)方法が異なることがわかった。2編は、テーマ「台湾における産後ケア施設の視察報告」で、国立、市立、私立の産後ケアサンタ―3施設を訪問した。3編は、テーマ「台湾における産後ケア事情―出産情報と産後ケア養生についてインタビュー予備調査―」で、対象は出産年齢が高く、施設分娩の入院日数が米国に近い傾向にあった。台湾における産後ケアの背景として、産後一ヵ月は育児以外何もしない産後養生の思想「坐月子」が継承され,また,核家族化により褥婦のレスパイトケアが必然であり、育児や家事の負担を支援する宿泊型の産後ケアは自費であっても需要が高かった。また、産後養生の特徴である月子食は医食同源の概念(薬膳)が取り入られ,宿泊できない場合、宅配利用で家事軽減を図っていた。 以上の視察した結果から、沖縄県北部地域の特性を踏まえ,台湾での産後の肥立ちをよくする産後養生から学び、沖縄の食文化やユイマール(相互扶助)の精神文化を取り入れて、妊娠期から子育て期まで切れ目ない支援の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外の産後ケア事業に関する情報は、文献検討および都会の産後ケア施設と台湾の産後ケアセンターを視察することで順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、産後院ケアモデル施設を考案する上で、重要なのは施設の設置理念と必要性である。施設の設置理念の一つにエビデンスに基づく助産ケ産後ケアの提供が期待されることから、授乳と母子の愛着に関する研究を実施予定である。施設設置の必要性として、産後の母親を対象に産後ケアに関するニーズ調査を行う予定である。 さらに、妊娠・ 出産包括支援モデル事業のひとつである子育て支援(母子保健型)が北部地区の今帰仁村で平成27年度から試行的に実施された。本研究の課題を遂行するために、名護市をはじめ、他の市町村においても産後ケア事業の促進に向けて、積極的に情報提供を行い、行政の協力を得て、住民の支援やボランティアの活用、産科医師・助産師の協働・連携を調整し、産前・産後の切れ目ない支援が提供できる体制の構築を推進していきたい。
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Causes of Carryover |
物品費を購入した際、予定した金額より、安価に購入できた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分の旅費に充てたいと計画している。
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Research Products
(3 results)