2015 Fiscal Year Research-status Report
開発途上国の母子保健人材育成プログラムの客観的評価指標に関する検討
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15K15866
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
吉野 八重 北里大学, 看護学部, 准教授 (80433720)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 母子保健 / 人材育成 / 遠隔教育 / 評価 / 低コスト / モンゴル / グローバルヘルス / 継続教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
具体的内容:過去5年間にわたって実施したモンゴル国の母子保健に携わる看護職対象に実施した遠隔教育プログラム(衛星通信による双方向のビデオ会議を日本から、首都、遠隔地域に接続した継続教育)に関する客観的評価のために、現地調査により質的、量的データを収集、入力し、英国ロンドン大学、元WHO母子保健事業局長などの海外専門家によるスーパービジョンのもとに分析を進めている。研究成果の一部を第11回ICMアジア太平洋地域会議・助産学術集会、第22回カナダ国際保健学会などの国際学会で発表した。また、2016年2月に英国ロンドン大学からグローバルヘルスの専門家を招へいし、兵庫県立大学で質的研究手法に関する公開セミナーを開催した。日本全国から40名余の看護教育、研究者らが参集し、好評を博した。 意義: 質的、量的データの分析により、本プログラムのインパクトや問題点、今後、取り組むべき具体的課題を明らかにすることができる。開発途上国の母子保健指標(妊産婦死亡率、乳幼児死亡率)に影響をもたらす要因として、保健医療人材の不足、現場の医療従事者のコンピテンシー不足によるケアの質の低さがある。問題改善のための一手段として、多くの国際協力現場では、専門家派遣を行うことが一般的である。本プログラムではITを活用することにより、低コストで持続可能な継続教育モデルを提示することができる。 重要性: 開発途上国に共通する母子保健上の問題の根底には、保健医療政策の未整備、経済的な困難、教育に携わる人材の能力や質の問題、教材不足がある。本研究でモデルを提案し汎用化することで、同様の問題に対峙する多くの国々で活用される可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現地で得られた質・量的データは入力作業を終えて、分析も順調に進んでいる。また英国の専門家招へいは、研究計画を立案した当初は予定していないものであったが、単に研究者自身と連携研究者だけが研究指導を受けるためだけなく、公開セミナーを企画・開催したことにより、同様のトピックスに関心を持つ国内の専門家らに新しい知識を得る機会を提供することができた。国際協力、質的研究手法に関する活発な討議をすることができ、国内のネットワークの形成に貢献することができたことは有意義であった。今年度は、得られた量的、質的なデータ分析を進め、国内、海外の専門雑誌に投稿するための論文執筆に時間を確保し、成果をまとめていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の通り、引き続きデータ分析、論文執筆を進めていく。また、他国において本プログラムの汎用性について検討するため、タイのチェンマイ大学看護学部、タイ国保健省看護課を訪問し、タイ国における母子保健上の問題、課題、母子保健医療に従事する看護職への継続教育、特に遠隔地域でアクセスが困難な看護職へのサポート体制や評価方法について、情報収集・情報交換を行う予定である。さらに、今後の国際共同研究の立ち上げの可能性について、協議する計画である。
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Causes of Carryover |
平成27年度に計画していた海外の専門家との調査・打ち合わせは、連携協力者と共に海外に渡航して行う予定であったが、先方が自身のファンドで航空券を購入して来日したたため、国内でのセミナー・ワークショップ開催の費用、日本国内の滞在費などで収まった。研究費で出費を予定していた海外渡航に関わる諸費用、現地での滞在費などの大幅な出費削減につながった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度のタイのチェンマイ大学において開催される国際学会での発表に連携研究者とともに参加、発表する予定に加えて、チェンマイ大学看護学部長、国際事業担当の教授、タイ国保健省看護専門官に面会をする予定である。研究トピックスに関する情報交換、情報収集、今後の共同研究の可能性についての協議など、学術交流をする計画を新たにたてるため。使用予定:①タイへの渡航・滞在諸費用(2名分)、②学会参加費、③チェンマイ大学看護学部長および、教授、タイ国保健省看護専門官への謝礼(記念品)
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Research Products
(5 results)