2015 Fiscal Year Research-status Report
わが子の性別違和に対し悩みを抱える母親への支援に関する研究
Project/Area Number |
15K15870
|
Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
菊地 美帆 常葉大学, 健康科学部, 講師 (00553322)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 性別違和 / 子ども / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、わが子の性別違和に対し悩みを抱える母親への支援について明らかにすることである。 2015年度は、中学校入学前の子どもを持つ母親のわが子の性別違和に対する悩みの有無、また性別違和についての知識を明らかにすることを目的に自記式質問紙調査を実施した。自記式質問紙を作成するにあたり、国内外の文献・書籍から性別違和に関する現状や支援について検討した。また関係学会や性同一性障害当事者の会や支援者の会に参加し情報収集を行った。質問項目は①母親の基本属性 ②GID(性同一性障害)についての理解 ③子どもとの性別違和感についての話し合いの有無 ④子どもの言動から子どもの性別違和感についての悩みの有無とその内容 気になる言動がみられた時期 ⑤GIDについて知りたいこと ⑥わが子に性別違和感が認められた時の相談相手とその内容 ⑦子どもにカミングアウトされた時に認めることができるかなどである。倫理審査委員会の承認を得たのち、国内の幼稚園・保育園・認定子ども園・小学校へ研究への協力を依頼した。現在小学校1校、幼稚園等4施設から協力を得て、母親への質問紙調査を実施したが、目標とする回答数を得ていないため、現在も継続して小学校・幼稚園等に研究への協力を依頼している。データ収集後は、統計ソフトSPSSを使用し集計・分析する。統計的手法についてはχ2検定、t検定またはマンホイットニーのU検定を用いる。3群間の比較には、クラスカル・ウィリスの検定を用いる。自由記載は内容分析を行い、コード化、サブカテゴリー化、カテゴリーを見出す作業を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の対象者は、就学前(年長児)および中学校入学前の子どもを持つ母親である。そのため研究への協力を幼稚園・保育園・認定子ども園・小学校に依頼ており、そこに通う子どもを通し、母親に自記式質問紙を配布している。幼稚園・保育園・認定子ども園・小学校からの研究協力を得ることに非常に困難をきたしている。また幼稚園や小学校が長期の休暇に入ると、調査が中断してしまうことから研究はやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
母親に対する自記式質問紙調査への協力を継続して幼稚園・保育園・認定子ども園・小学校に依頼していく。データの分析を行い、その結果をもとにGIDの子どもを持つ母親の、子どもが幼少期の頃の様子や母親の悩みを明らかにし、性別違和感のある子どもに対しどのような理解や対応が必要であるか明らかにすることを目的に、すでにカミングアウトしたGIDの子どもを持つ母親に対し半構造的面接を実施する。
|
Causes of Carryover |
質問紙調査を年度を跨いで継続して実施しているため、質問紙回収のための郵便費、調査依頼に必要な交通費、またデータ入力のためのノートパソコンの購入費やデータ入力のための人件費を次年度に繰り越す結果となった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費に関しては、データの流出防止のためにデータ保存および解析用のノートパソコンや面接調査時の録音に必要なICレコーダ、データを管理するためUSBメモリを購入する計画である。旅費は、研究成果発表や連携研究者との打ち合わせ、研究協力依頼や面接調査のための移動費として使用する。人件費・謝金に関しては、データ入力、録音記録からの逐語録の作成等の人件費や、面接調査の謝金として使用する。その他、研究に必要な書籍、文献複写、また質問紙回収のための郵便費や切手、事務用品の購入費として使用する。
|