2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the support of mothers who are troubled by gender dysphoria in their children
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15K15870
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
菊地 美帆 常葉大学, 健康科学部, 准教授 (00553322)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 性別違和 / 子ども / 母親 / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年4月までに、すでにわが子からカミングアウトされた母親の、わが子に性典型的行動が見られた時の思いや体験を明らかにすることを目的にGID当事者の母親への半構造的面接による質的記述的研究を実施した。研究対象者は、すでにカミングアウトを済ませたGIDの子どもを持つ母親であり、その内訳はFtMの母親3名、MtFの母親1名の計4名である。研究の対象となる母親のリクルートの難しさからインタビューは4名に留まった。GIDの子どもの年齢は20歳から30歳代であり、その母親の年齢は50歳から60歳代であった。 子どもの幼少期の様子を自然のこととして受け止めていた母親、子どもからカミングアウトされるまで子どもの性別違和感を全く気付かなかった母親もおり、母親が子どもの性別違和感を知るきっかけも様々であった。子どもからのカミングアウト後は学校や就職のこと、また治療や性別適合手術後の身体の変化などについて心配しながらも子どもを応援していた。現在性別違和感のある子どもに対しては、悩みがあるなら言っていいことを強く望んでいた。性別違和感のある子どもを持つ母親に対しては「親は大人になりわが子をひとりの人として尊重し受け入れる」そして「子どもを認めることが必要である」と語っていた。親もGIDについての知識が必要であること、悩みを抱える母親に対しての支援として「母親が一人で抱え込まないように同じ境遇同士の集まりの場」や「支援グループによるサポート」が必要であると語っていた。 第一研究から、わが子の性別違和感に関し気になる母親がいることが明らかとなっている。今回の研究対象者であるGIDの子どもを持つ母親たちは、母親自身にできることを模索しており、現在子どもの性別違和感に悩みを抱える母親への支援には、GIDの子どもを持つ母親を交えた母親同士のピアサポートグループが双方の母親にとって効果的ではないかと考える。
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