2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Challenging Study of "Chameleon Printing" for Clothing for Wandering Prevention Assistance
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15K15883
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中島 一樹 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (50207776)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / 徘徊 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症高齢者の問題行動の1つに徘徊行動があり、介護者に精神的・肉体的な重い負担を与えている。認知症高齢者に発信器やICタグなどを携帯させるシステムが開発されているが、認知症高齢者は特別な機器を自主的に携帯しない。また、日常生活で第3者が認知症高齢者であるとひと目で気づく、特別な名札やマークを衣類につけることは避けなければならない。われわれは、認知症高齢者が徘徊により外出するのを防止するための画像認識による介護者支援システムの創製を目指している。本研究では、背景の色に溶け込んで姿を見つけるのが難しいカメレオンのように、太陽光や室内照明など、通常の可視光下では気づかれないが、ブラックライトを照射したときだけ発色する特別なマークを衣類へ「カメレオン印刷」する手法に関する挑戦的研究を行った。 具体的には蛍光トナーを充填したレーザープリンタ複合機(以下、蛍光プリンタ)を用いた。転写媒体として表面がシリコン樹脂で加工されているアルミホイル、被転写物としてグレー色の衣類を用いた。蛍光プリンタでは、カラープリンタで用いるブラックトナーの代わりに、ホワイトトナーが用いられる。そのためスキャナーで取得した衣類画像(以下、処理前画像)から黒成分のみを透明化する処理を行い、透明化処理画像とした。処理前画像と透明化処理画像をそれぞれアルミホイルに印刷し、これを125℃に設定したプレス機で 10 秒間加圧し、衣類に蛍光トナーを転写した。 可視光下で透明化処理画像の RGB 輝度差は処理前画像より有意に減少した。ブラックライト下で透明化処理画像の輝度比は処理前画像より有意に減少したが、これまでに行っていた界面活性剤を用いる結果と比較すると、輝度比が約2倍に向上した.つまり透明化処理により可視光下では視認されにくく、従来法よりもブラックライトで約2倍の蛍光強度が得られる「カメレオン印刷」を実現できた。
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Research Products
(2 results)