2016 Fiscal Year Research-status Report
高校生における精神保健問題の早期介入へ向けた学校と精神科医療・看護の連携のあり方
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15K15884
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
河野 由理 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (50363916)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 精神保健 / 早期介入 / 精神看護 / 地域ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は研究課題に沿って、調査の内容について、専門分野の研究者や臨床の専門職と意見交換を行いながら作成、修正を繰り返し行い、調査の準備を進めた。また、養護教諭による小学校、中学校、高等学校の児童生徒の精神保健問題への援助に関する国内および海外の文献レビューを行った結果、その内容は、【生徒の援助希求行動】、【学校と関係機関の連携】【養護教諭による児童生徒への介入】に分類された。 具体的な内容として、【生徒の援助希求行動】については、中高生において、悩みを誰にも相談しない生徒は、相談する人と比較してメンタルヘルスの状態がよくないことや学校生活の満足度が低いことが示唆されている。高校生の相談先は、友人、親が多く、相談しやすくするための工夫について、「周りの人が気づいて声をかける」、「匿名で相談できるようにする」、「相談できる場所を増やす」等が挙げられた。中学生の相談先は同様であったが、家族に関する悩みについては、誰にも相談しないと答えた割合が多かった。【学校と関係機関の連携】では、すべての校種で、医療機関、児童相談所、臨床心理士が多く挙げられた。小中学校では、教育相談機関や教育支援センター、民生委員・児童委員、スクールソーシャルワーカーが多かった。 【養護教諭による児童生徒への介入】について、養護教諭は、児童生徒の「日常生活の変化」、「繰り返す体調不良の訴え」、「話し方・表情」、「主訴と状態像の違い」、「頻繁な来室」等を心の健康問題のサインとして捉えていた。介入として、養護教諭は教職員や他職種との連携、保護者との連携などとともに、児童生徒に「安心できる場所の確保」、「気持ちの表出の促し」、「信頼関係の構築」、「関わりの程度の工夫」、「生徒の問題解決力の育み」、「クラスでの生徒の居場所の確保」等を行っていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度の途中で所属機関の異動があり、倫理審査など、調査の準備を進めていたため。研究の目的に沿って、調査の内容について、専門分野の研究者や臨床の専門職と意見交換を行いながら作成、修正を繰り返し行い、調査の準備を進めている。養護教諭による小中高生の精神保健問題への援助に関する文献レビューの結果をまとめ、発表の準備を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、高校生の精神保健問題への介入に関する調査を進めていく。研究成果をまとめる。
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Causes of Carryover |
平成28年度の途中で所属機関の異動があり、倫理審査など、調査の準備を進めていたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の研究費を使用して、研究計画に沿って、高校生の精神保健問題への介入に関する調査を進めていく。研究成果をまとめて発表を進める。
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