2016 Fiscal Year Research-status Report
日本人高齢者に特化した日常生活とサルコペニアの実態と予測・関連要因抽出
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15K15895
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
中村 勝喜 武蔵野大学, 看護学部, 助教 (10736854)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | サルコペニア / 要介護高齢者 / QOL / 舌圧 / 日常生活活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度実施した文献検討と医療従事者(医師、看護師、医療ソーシャルワーカー、理理学療法士、作業療法士、介護福祉士、栄養士など)との協議した内容をもとに作成した調査項目について実態調査をおこなった。調査内容は、基本属性、サルコペニア有病率、QOL尺度、舌圧、食事を誰とともにするか、居住環境、日常生活活動指標、栄養状態などを測定した。日本人高齢者のなかでも、デイサービス・デイケアに通う要介護高齢者を対象に、実態調査を実施した。予定対象者数300名のうち、本年度は160名に対して調査を実施した。サルコペニアの測定には、握力、歩行速度、筋肉量測定が必要なため、必然と要介護度が高い高齢者は除外され、要支援1から要介護2までの高齢者が対象となった。海外の先行研究では、健康高齢者を対象としたサルコペニア有病率は約20~30%程度であるが、本調査の途中結果では、要介護高齢者の約50%が陽性であった。また、先行研究では、高齢者の低栄養、低体重率が高いことが多く発表されているが、本調査においては、むしろ過体重やBMIが高い高齢者が多いことがわかった。要介護高齢者のほとんどは、現在喫煙しておらず、飲酒は約2割程度であった。地域活動は、要介護認定を受ける前はおこなっていたが、現在は身体的精神的に困難であると訴える高齢者が多かった。今後は、対象数を拡大し、さらにサルコペニアと関連要因を統計的に分析したうえで、サルコペニアの予防・改善のための示唆を得ることを目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初予定していた一人当たりの検査時間や質問時間よりも多くの時間を費やしている。多くの時間を費やしている理由としては、対象者が、軽度とはいえ要介護高齢者のため検査前後の誘導(歩行介助など)や検査時間を延長するなどである。また、本年度より本学に着任したため、本学の教育や委員会業務に慣れておらず、研究に費やす時間を十分に確保することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力機関のスタッフを現在の2人から4人へ増員する。また、本年度は、午前中のみ検査を実施してたが、次年度から午後も追加し、一日当たりの調査対象者数を増やす。教育業務を整理し、次年度は研究日を週一回増やして対応することとした。
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Causes of Carryover |
研究計画では、調査項目の一つとして採血を挙げていたが、採血は行わず、体脂肪計での結果を代わりに重要視したため採血に発生する費用が削減された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
質問用紙や調査紙の追加が必要なため、それらに充てることを計画している。
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