2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K15902
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
村田 伸 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (00389503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 潤 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00304428)
山崎 先也 富山大学, その他の研究科, 教授 (20352354)
大山 美智江 福岡県立大学, 人間社会学部, 研究員 (40448816)
甲斐 義浩 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (90632852)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 安全歩行検診システム / バランス歩行 / 5m最速歩行 / 転倒予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の看護ケアを行う上で、歩行障害や転倒に対するアプローチは特に重要である。本研究では、従来からの転倒予防対策の考え方、すなわちハイリスクアプローチもしくはポピュレーションアプローチのどちらかに偏った予防対策から脱却し、それらを融合した新たな転倒予防システム「安全歩行検診システム」の開発を目指す。 具体的には、歩行の安全度を1~7にステージ分類し(安全歩行検診カードを配布)、それぞれのステージに応じた転倒予防対策(パンフレットの配布を含む)を指導する。さらに、安全歩行検診システムの効果判定(歩行能力の改善と転倒予防)をランダム化比較試験による多施設共同研究で検証し、看護場面で臨床応用可能にすることを目的とする。 27年度は、滋賀県野洲市在住で生きがいサークルに登録している一般高齢者257名と京都市山科区の健康教室に参加している高齢者48名を対象に、初回検診の実証研究を実施した。初回検診では、転倒歴の調査と歩行能力(バランス歩行と5m最速歩行)を評価した。併せて、30秒間椅子立ち上がりテスト、握力、大腿四頭筋筋力、足趾把持力、上体起こし回数、長座体前屈距離、開眼片脚立位時間、Timed Up and Go testなどの身体機能を詳しく調査した。また、この2つ歩行能力指標から歩行レベルを7段階に分類し、転倒歴の情報を合わせて歩行の安全度を示した「安全歩行検診カード」を参加者に配布した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度は、当初の予定(150名)を上回る約300名の高齢者を対象に初回検診と下肢筋力やバランステストなどの体力テストが実施でき、参加したすべての高齢者に「安全歩行検診カード」を配布した。ただし、対象とした高齢者の身体機能は高く、歩行能力が劣っている高齢者のデータ収集が不足していることから、「おおむね順調に進展している」と判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、関西・北陸・九州の4つの異なる大学を拠点に、市町村の交流事業に参加している一般高齢者500名ならびに近隣の高齢者施設に通所している虚弱高齢者400名を対象に介入研究を行い、安全歩行検診システムの効果判定(歩行能力の改善と転倒予防)をランダム化比較試験による多施設共同研究で検証する予定である。
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Causes of Carryover |
長崎での予備調査用の謝金を計上していたが、謝金が発生しなかったため、5万円を次年度に持ち越すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
長崎での本調査時の協力者へ謝金、成果報告の出張経費に充てる。
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