2016 Fiscal Year Research-status Report
限界集落における地域力向上のためのソーシャルキャピタル醸成看護モデルの構築
Project/Area Number |
15K15911
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梶田 悦子 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (50135373)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ソーシャルキャピタル / 限界集落 / 看護モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
自治体の地域力向上のためにソーシャルキャピタルをキーワードとした自助及び共助の支援が求められている。方法として地域組織の育成という始点からの取り組みが重要である。しかし、公衆衛生看護活動に着目したソーシャルキャピタルの醸成は未だ明らかになっていない。申請者は北陸農業地域において地域看護職と共に健康増進活動を展開してきたが、地域で健康増進活動を進めるためには健康関連因子を探るだけでは不十分で、健康のレベルアップに繋げるには、他者とのつきあい・交流、社会参加、地域への愛着度等を高める対策導入の必要性が示唆された。本研究の目的は、限界集落における地域在住高齢者と、高齢者を支える地域の看護職、生活指導員、集落支援員などの援助におけるソーシャルキャピタル醸成の実態やそれを行う上での促進要因を明らかにすることである。 本年度はF県限界集落の60歳以上の全住民と、その集落の高齢者を支える支援者に対して自記式アンケート調査を行った。調査票は研究協力者が配布・回収を行った。なお、入院中・認知症等は除外した。高齢者・支援者の比較検討が出来るように同様の調査票を用いた。調査内容は、基本属性(居住地域、同居人数、暮らし向き)、携わっている活動、家族への考え方、連絡や情報収集方法、地域への愛着度、健康状態、社会参加状況、地区活動への参加、現在の心理状況や気持ち、サービス利用などである。調査回収数は地域高齢者75名、支援者23名の計98名であった。回収率はいずれも90%程度であった。現在、データベース作成し、調査票不備者については、29年度に追加訪問調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
28年度は計画通り、限界集落の調査(地域住民と支援者)が終了し、現在調査票の集計を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度は6月に、調査票内容の不備者について、訪問調査を計画し、調査の完遂を図る。 そして、研究協力者のJA厚生連、JA福井市、ボランティア等とソーシャルキャピタル醸成因子について検討し、看護モデルの構築を図る。
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Causes of Carryover |
28年度調査において、人件費・謝金と旅費にかかる使用額が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度は人件費・謝金にかかる費用が見込まれる。さらに、看護モデル構築のための現地での検討会や成果発表等の旅費が見込まれる。
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