2017 Fiscal Year Research-status Report
限界集落化を呈する大都市の社会的孤立高齢者の予後観察と多重セイフティネットの構築
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15K15912
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桂 敏樹 京都大学, 医学研究科, 教授 (00194796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志澤 美保 京都府立医科大学, 医学部, 准教授 (00432279)
奥津 文子 関西看護医療大学, 看護学部, 教授 (10314270)
春木 香苗 (臼井香苗) 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (50432315)
星野 明子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (70282209)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会的孤立 / 地域高齢者 / 健康関連要因 / 身体的・精神的健康 / セイフティネット / 大都市中心部 / 限界集落化 / 予後 |
Outline of Annual Research Achievements |
大都市A市中心部に位置し市内で最も高齢化が進んでいるB区(政令指定都市の区のなかで高齢化率は上位)C地区(区内で高齢者の独居世帯と夫婦のみ世帯が最も多い地区)に居住する住民(高齢者および40歳以上の成人)を対象に年度末に地元自治会の協力を得て調査を実施した。当初の計画では年度の初めに調査を実施する予定であったが当該地域において自治体等が他の大規模調査を実施することとなったために住民の負担を考慮して自治会の要望に従って協議の上調査時期を延期した。そのため調査時期が年度の終わりに移行し実施した。 調査対象は自治会が把握している40歳以上の住民約2000人であった。調査時期は2月から3月までの約1か月半であった。調査用紙は自治会を通じて住民に配布され、配布留め置き法と郵送法を併用して実施回収し、一部訪問による回収も実施した。調査項目は、基本属性、ライフスタイル、生活活動能力指標、身体的・精神的機能、生活満足度、社会的孤立等であった。回収できた調査用紙のうち有効な回答が得られたのは約450(有効回収率約22%)で、その殆どが高齢者であった。 データの入力作業とクリーニング作業が終了した。そこで、現在は単変量解析を行い、社会的孤立の関連要因や身体的・精神的健康の関連要因としての社会的孤立の影響の有無等について検討している。その結果を参考にしながら単変量解析から多変量解析に展開する分析計画を立てて社会的孤立の要因や健康関連要因としての影響等を検討しているところである。現在社会的孤立者の特性や関連要因を明らかにしながら大都市中心部における社会的孤立者の対策に結びつく活動方法と支援内容を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査の実施に当たり予め承諾が得られていた住民自治会から以下の要望があり、実施計画を変更した。自治会の代表から当該年度に政令指定都市が地域高齢者を対象に大規模調査を実施することと協力の要請があったため、自治体の調査を優先することと住民の調査への負担を軽減したい旨連絡があった。代表者等と協議した結果自治会の要望を受け入れ、調査実施の計画を延期した。その結果進捗状況は遅延した。しかしながら調査は自治会の要望に沿いながら延期したが当該年度末までには実施できた。従って、遅延しているものの調査を実施しデータも収集できたので分析を進めれば研究の目的は達成できる状況に改善した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在調査は終了している。調査のデータは入力済みで、データのクリーニングも終えている。今後はデータの分析を行い、単変量解析の結果を整理したうえで今後の分析方針を見極め、仮説検証のための多変量解析を実施する。同時に結果を踏まえて図表の作成、考察の作成、施策等への提言等を行う。また結果をまとめて報告書を作成し協力機関等に報告する。 結果を踏まえて大都市中心部における社会的孤立者に対する支援活動や保健活動について検討を進める。 今回の結果を国内外の学会等で発表すると共に成果を論文としてまとめ学会誌等に投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
調査の実施に当たり予め承諾が得られていた住民自治会から以下の要望があり、実施計画を変更した。自治会の代表から当該年度に政令指定都市が地域高齢者を対象に大規模調査を実施することと協力の要請があったため、自治体の調査を優先することと住民の調査への負担を軽減したい旨連絡があった。代表者等と協議した結果自治会の要望を受け入れ、調査実施の計画を延期した。その結果進捗状況は遅延した。しかしながら調査は自治会の要望に沿いながら延期したが当該年度末までには実施できた。
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