2018 Fiscal Year Annual Research Report
Prognostic observation of socially isolated elderly persons resided in a marginalized are of a big city and construction of safety net
Project/Area Number |
15K15912
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桂 敏樹 京都大学, 医学研究科, 教授 (00194796)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志澤 美保 京都大学, 医学研究科, 助教 (00432279)
奥津 文子 関西看護医療大学, 看護学部, 教授 (10314270)
春木 香苗 (臼井香苗) 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (50432315)
星野 明子 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (70282209)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 社会的孤立高齢者 / 中年の社会的孤立者 / 健康阻害リスク / 不健康なライフスタイル / セイフティネット / 心理社会的健康 / 大都市中心部超高齢化地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
大都市中心部の超高齢化地域(政令指定都市区のうち高齢化率が最も高い行政区)において町内会自治会を通じ質問紙を全戸に配布し、 Lubben`s Social Network Scale (LSNS)、ライフスタイル、心身の健康等の項目について質問紙調査を実施した。約2000世帯のうち427世帯から有効な回答が得られた。 結果は以下の通りであった。LSNSに従って素点が12未満を社会的孤立とすると、社会的孤立者の割合は中年(40‐64歳)で30.0%、高齢者で36.3%であった。中年では女性よりも男性が多く、配偶者がいない者が多かった。社会的孤立者は多量飲酒、抑うつ、友人からの孤立が非孤立者に比べて多かった。一方で高齢者でも社会的孤立者は女性よりも男性が多かった。社会的孤立者は不健康なライフスタイルを有し、痩せ、運動不足、低い生活満足度、抑うつ、孤独感、低い地域所属感覚の者が非社会的孤立者に比べて多かった。 本研究から地域高齢者だけではなく中年にも社会的孤立者が多くいることが明らかになり、心身の健康を阻害するリスクを複数有する者が多いことが示唆された。このことから高齢者だけでなく中年の社会的孤立者も保健医療のセイフティネットによる支援体制の対象と考える必要性が高い。しかし、社会的孤立者は地域社会において関わりが希薄な存在だけにアウトリーチ活動による支援と住民からの情報収集による対象把握が重要である。そのなかで健康なライフスタイルと心理・社会的な健康の健全な再構築が求められる。社会的孤立者は複数の健康阻害リスクを有していることから、予後が悪いことが予測され、予後観察は極めて重要な研究課題である。 本研究の成果と我々が当該地域で育成醸成した地域支援活動を有効活用して、大都市中心部の住宅地域(公営集合団地ではない地域)における社会的孤立者対策の充実を企画実施していきたい。
|
Research Products
(2 results)