2015 Fiscal Year Research-status Report
自死遺族のレジリエンス促進要因の検討:ストレス対処能力概念SOCの観点から
Project/Area Number |
15K15921
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
濱田 由香里 長崎県立大学, 看護栄養学部, 講師 (40736485)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自死遺族 / レジリエンス / SOC |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自殺によって大切な人を亡くした自死遺族が、遺族としての体験とどのように向き合い人生の再構築を試みようとしてきたのか。自死遺族の「生きていく力」とその促進要因をストレス対処能力概念SOC(Sence of Coherence)の観点から明らかにしようとするものである。 平成27年度の実施計画では長崎県内および九州内近隣県での調査実施の予定としていたが、実際は3名の研究協力者(自死遺族支援団体の代表者、長崎県自殺対策専門委員会委員長、元長崎県自殺対策専門委員会委員長:共に精神科医師)と共に、上記研究目的に沿った調査対象者や調査内容、調査方法の検討を主に行った。 検討の結果次のようなことが決定された。調査対象者は大切な方を自死で亡くされてから1年以上経過されている方で、研究への協力に同意が得られる方。調査方法は構造化面接とし、主な指標として属性、健康状態、経済状況や社会活動への参加状況、ソーシャルサポート状況等について尋ねることとした。精神健康状態についてはGHQ-12項目、SOCについては13項目版をスケールとして用いることとした。更に、検討会において自死遺族の「レジリエンス」そのものをみる必要があるのではないか?という疑問が呈された結果、スケールとしてCD-RISC得点(コナー・デビッドソン回復力尺度日本語版)を用いて自死遺族のレジリエンスについても明らかにすることとした。 平成28年2月に長崎県立大学における一般研究倫理委員会において承認が得られ、平成28年度から実際の調査開始予定となった。調査対象者については、自死遺族支援団体の代表者等を通じて協力依頼、相談を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査内容の検討、使用する尺度の選定などに時間を要してしまったこと、結果、倫理委員会に申請する時期が年度後期にずれ込んでしまったことが調査の開始を遅らせてしまった要因と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は出来るだけ早い時期から調査対象者を探すための活動(研究の趣旨説明ならびに協力依頼等)を実施し、1人でも多くの協力者を得られるよう進めていきたい。また、長崎県内で10~15名程度を目標に実施するが、状況に応じて九州内近隣県の自死遺族支援団体ならびに九州外への協力依頼も並行して進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は調査の実施に至らなかった為、主に検討会にかかる研究協力者への謝金や旅費、調査に必要な物品の準備等の支出のみとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は実際の調査が開始される為、旅費や人件費、会場借用料などの支出が見込まれる。特に県外活動における旅費に関しては、効率的かつ計画的な実施が必要であると考えている。
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