2015 Fiscal Year Research-status Report
通常小学校における学校保健情報を活用した極低出生体重児支援モデルの開発
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15K15922
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
竹中 香名子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (40733192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 千春 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (70383552)
高橋 佐和子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (80584987)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小学校 / 養護教諭 / 就学時健康診断 / 保健調査票 |
Outline of Annual Research Achievements |
養護教諭の就学時保健情報の活用可能性を明らかにし、学校生活支援の必要性と対応の予測能力を推定することで、学校保健情報を学校生活支援に活用する方策を検討することを目的とする調査を実施した。 調査は、市町村規模による層化無作為抽出(5%抽出)を行った全国の特別支援学校をのぞく小学校約1000校の養護教諭を対象に郵送による無記名自記式質問紙で実施した。質問紙は平成27年6月末に発送し、292通返送された(回収率29.2%)。 調査協力者の属性として、学校規模は150~500人が48.5%と最も多く、経験年数は20年以上が56.7%であった。 幼稚園・保育所と小学校の連絡会は、90%以上の小学校で実施されていたが、養護教諭が連絡会に参加しているのは40%程度であった。幼稚園保育所の要録については「健康」の必要性を高く評価した者が半数を上回っているものの、他に半数を越える高い評価をした者はなかった。就学時健診の問診票ではアレルギーの有無と除去食の希望の必要性、活用可能性で高評価をした者が約80%と高くなっていた。就学時健康診断の結果では発達検査の必要性を高く評価した者が半数を越えていた。保健調査票でもアレルギーの有無の必要性活用可能性を高評価した者が80%程度と多くなっていたが、健康診断の結果に高評価をした者は40~50%程度と多くなかった。 事例については(a)学校生活管理指導票を用いるマニュアルのある例(b)マニュアルはないが法律により治療勧告を行う例(c)マニュアルも法的措置もない例の3つをあげ、アセスメントを自由記載で、対応を複数回答可能な選択式で回答を得た。現在、分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
出生時の体重に着目して教育的支援の必要性を判断するという考え方は、養護教諭に浸透していない。極低出生体重児を把握する機会には就学時健康診断等があると考えられるが養護教諭が把握している就学時健康診断結果等の就学時保健情報が教育的支援の必要性の判断に活用されているかは明らかになっていない。このため、予備調査として質問紙調査を実施した。質問紙調査を実施の際に、国際医療福祉大学倫理審査会の承認(14-Io-169)を得て、質問紙の協力者の中から面接調査に協力可能な、就学時保健情報が学校生活支援に活用できた事例を持つ養護教諭を募集した。このため、具体的な活用例を多く持っている養護教諭を研究協力者として得ることができた。面接調査の準備も進んでいるため、研究計画はおおむね順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査を実施際に、国際医療福祉大学倫理審査会の承認(14-Io-169)を得て、質問紙の協力者の中から面接調査に協力可能な、就学時保健情報が学校生活支援に活用できた事例を持つ養護教諭を募集した。国際医療福祉大学倫理審査会の承認(15-Io-75)を得て、すでにプレテストを実施した。また、協力を申し出た養護教諭が、面接の時間を確保しやすい夏休みの時期(7~8月)に面接できるよう日程の調整をすすめている。就学時保健情報を学校生活支援に活用した事例を収集し、体系的にまとめることで、就学時保健情報を学校生活支援に活用する具体的方策が明らかとなり、教育的支援の必要な児の把握および支援の必要性の判断を検討することができると考えられる。
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Causes of Carryover |
当初の計画では面接調査を実施する予定であったため、旅費およびテープ起こしの費用を中心に申請していた。しかし、調査方法を変更して質問紙調査を実施したため、物品費および郵送費が増加した。調査方法を変更したため、わずかに次年度使用額が生じたと考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
面接調査を15件程度実施する予定であり、旅費およびテープ起こしの費用が必要となる。また、当該年度に実施した質問紙調査の分析がまとまりつつあるため、公衆衛生・学校保健・小児保健の領域の学会で報告する予定である。
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