2017 Fiscal Year Research-status Report
生涯にわたる生活習慣予防に向けた早期支援プログラムの開発
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15K15924
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
赤堀 八重子 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 講師 (30700124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 基 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (30258884)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生活習慣病予防 / 早期支援プログラム / 乳幼児健診 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、早期の段階から生涯にわたる生活習慣病予防の系統的な支援を行うことにより、生活習慣病の発症予防を図ることを目的とする。研究の第1段階では、A町の20歳~65歳未満の住民3,510人を対象に質問紙調査を実施した。その結果、若年層では、保健行動に対して消極的であるが、医療従事者に依存しやすく、相手の意見を取り入れる姿勢があることが明らかとなり、予防的な視点からの健康観を形成に向けて、若年層から保健指導を開始することの有効性が示された。このことから、生活習慣予防に向けて、早期の段階からの系統的な支援の重要性が確認された。この結果を基に、平成29年度においては、研究の第2段階である早期支援プログラムの作成および実施を開始している。早期支援プログラムの概要については、乳幼児健診(3か月児~2歳児)に参加する保護者を対象者とし、乳幼児健診ごとにパンフレットまたはリーフレットを作成し、段階を踏んだ継続した健康教育を展開する。早期支援プログラムは、トランスセオレティカルモデルを枠組みとした身体のメカニズムや生活習慣病に関する知識の提供のための健康教育である。乳幼児健診は、参加率が高く、効率よく多くの対象者に対して健康教育を実施することが可能であり、乳幼児をはじめ、その他の家族への普及効果が期待できる。継続した健康教育の実施は、生活習慣を改善することへの理解を促進し、健康にとって望ましい生活習慣を形成するための動機づけを強化することができる。 早期支援プログラムの評価については、質問紙を用いて、プログラム開始前、中、後での比較を行い、介入による効果を検討するとともに、質的研究を行い、効果を検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在の研究の進捗状況は、研究の第2段階に用いる3か月児健診および6か月児健診用のプログラムが完成し、乳幼児健診の場において介入を開始している。当初の研究計画では、早期支援プログラムの介入期間を2年間とし、平成29年度で終了する予定であった。しかし、研究フィールドの確保、研究の第1段階である質問紙調査の実施に遅れが生じたこと、早期支援プログラム内容の検討に時間を要し、介入の開始が平成30年2月からとなった。さらに、研究フィールドである村の出生数が少ないため、2年間では研究対象者の確保が不十分であることから、研究期間を延長して介入を実施する予定である。 以上のように、当初の計画と比較し、研究の遂行が遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年2月から早期支援プログラムを用いた介入を開始している。早期支援プログラムの効果を検証するための研究対象者を確保できるよう引き続き介入を実施する予定である。3か月児、6か月児、1歳児健診の場においては、保護者を対象としてパンフレットの配布および健康教育等のプログラムに基づく介入を行い、1歳6か月児、2歳児においては、リーフレットの配布を行う。効果の検証は、時系列デザインの1群事前事後テストデザインによる質問紙調査結果の分析を実施する。また、個別事例による評価は、早期支援プログラム実施後の健康観及び行動の変化に焦点をあて、インタビューを実施し、質的に分析を行う。 当初の研究計画よりも進捗状況が遅れているため、研究期間を平成31年度まで延長し、早期支援プログラムの効果を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、平成29年度に作成予定であった乳幼児健診に用いる早期支援プログラムのパンフレットの作成に遅れが生じていることによる。なお、3か月児健診用パンフレット等については、平成30年2月に完成している。3か月児健診用以外の乳幼児健診の早期支援プログラムのパンフレットは、平成30年度の作成となる。そのため、3か月児健診用以外の乳幼児健診のパンフレット印刷代や備品購入等の代金は、平成30年度に再度計上することとなった。
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