2016 Fiscal Year Research-status Report
産業看護診断とエスノグラフィを用いた中小企業文化の解明による健康格差縮小への寄与
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15K15926
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Research Institution | Japan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
池田 智子 日本保健医療大学, 保健医療学部看護学科, 教授 (50341938)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 産業看護アセスメント・ツール / エスノグラフィック・インタビュー / KIZUNAカンパニー / 職場改善 / 参与観察 / 中小規模事業場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中小企業労働者が働いている現場において職場文化を観察し、そこから、健康に影響を与えている要因を丁寧に探り出し健康格差縮小への寄与を目指すものである。初年度からの2社に加えて本年度はもう1社の協力を得て、それぞれ、産業看護アセスメント・ツール(河野他, 2014)による職場診断および従業員へのエスノグラフィック・インタビューを実施した。さらに各事業場において数回ずつ、参加型職場改善の手法「KIZUNAカンパニー」*1を用いて、社員どうしのグループワークとそれに基づく職場改善を実施してもらい、活動前後のアンケート調査で効果を検証した。 さらに本年度は4月14日に発生した熊本地震後、市役所職員の支援をさせて頂きながら、研究者自らが当事者と行動を共にする参与観察による実感を通し、非常事態における“職場の力”を生み出す平時からの職場文化についても考察を深めた(国際災害看護学会WSDN2016に発表:Medium- and long-term life support activity by PHNs in the Kumamoto earthquake 2016. Content analysis by the ethnographic interviews)。 本年は3社に対する継続的観察と、職場改善活動前後の効果分析を行い、成果を論文にまとめていく。
*1 KIZUNAカンパニー:ストレスと職場環境を測定する調査票、アクションチェックリスト、社員研修用テキストなどを用い、社員たちが職場の課題を明確にし、改善していけるように開発したツールと手法。商標登録を行った(登録第5913676号:第16類印刷物等,第35類経営診断・助言・情報提供等)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に続き本年度も新規対象事業場の協力が得られたため、引き続き実践研究を行った。 一方で、初年度に実施する予定であった先行研究レビューや既存のデータ分析をする時間がほとんど取れておらず、理論分析やまとめなどの机上作業が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
3年間の実践研究を通して収集した質的および量的データを分析し、論文にまとめる。また解析結果に基づく中小企業の健康支援策を考案し提示する。
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Causes of Carryover |
当該年度使用額が予定より少なく収まったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
文具等の物品費に充てる
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Research Products
(4 results)