2016 Fiscal Year Research-status Report
地域包括支援センターのコーディネーション機能の実態
Project/Area Number |
15K15933
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岡野 明美 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (20718118)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域包括支援センター保健師 / 認知症高齢者 / コーディネーション |
Outline of Annual Research Achievements |
地域包括支援センター保健師の認知症高齢者に対するコーディネーションの実態を明らかにするために質問紙を作成するためのアイテムプールを得ることを目的に近畿圏内地域包括支援センター勤務の保健師10名を対象にインタビューガイドに基づき半構成的面接を行い、質的記述的に内容分析を実施した。研究協力者の概要は運営形態は直営型2名、委託型8名。性別は男性2名、女性8名。包括経験年数は1年未満1名、1~3年未満2名、3~5年未満2名、5~9年未満5名。保健師経験年数は1年未満1名、1~3年未満1名、5~10年未満4名、10年以上4名であった。前職歴は保健師6名、看護師4名であった。事例の概要;1人暮らし4例、高齢世帯2例、子と同居4例。相談把握経路は家族4例、地域住民4例、専門機関2例。事例の特徴は、主治医有5例、無5例。全事例に認知症治療や社会資源利用がなかった。行動心理症状有8例でその他に「セルフケア困難で放置状態」や「拒否的姿勢」がみられた。【認知症高齢者本人・介護家族・地域住民・関係機関など多方面から情報を掘り起こす】【つながりのある人物や組織を見つけて支援協力者を掘り起こす】【看護の知識を活かして多角的にニーズをアセスメントする】【多様な方法で認知症高齢者本人と介護家族の支援ニーズを確かめる】【認知症高齢者本人と介護家族の価値観やニーズに適した社会資源につなぐために多職種や地域住民の間に働きかける】【専門性の垣根を超えて情報共有し意思疎通を図る】【サービスやサポートでは補えない支援の隙間を埋る】【拒否のある認知症高齢者を社会資源につなぐ適時を見逃さない】【個別事例の共通性を見出す】【時間をかけて地域住民のサポートする意欲を引き出す活動を続ける】【地域に必要な資源を創出して地域住民の力を活かす】【コーディネーション後の変化を確かめる】の12カテゴリ、68サブカテゴリが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
地域包括支援センター保健師の認知症高齢者に対するコーディネーションの実態のインタビューデータから、アイテムプールを作成し、量的に実態を分析する計画だが、地域包括支援センター保健師の認知症高齢者に対するコーディネーションに関する文献がほとんどなく、適正な質問紙を作成するためには、インタビューデータの質的分析が肝要となる。そのため、インタビューデータの分析にかなりの時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
地域包括支援センター保健師の認知症高齢者に対するコーディネーションの実態を明確にするため、サブカテゴリーを洗練させて、質問紙を完成させる。そして、質問紙を全国規模で地域包括支援センター保健師に郵送調査する。そして、実態の分析を行う。
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Causes of Carryover |
質問紙の印刷、郵送にかかる費用の支出がなかったことが大幅に支出できなかった理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度は、質問紙の印刷、郵送にかかる費用の支出、統計処理ソフトの購入などが計画される。
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