2017 Fiscal Year Research-status Report
統計的因果推論の方法を用いたヒストリカルデータの活用
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15K15951
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田栗 正隆 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (20587589)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 因果推論 / ヒストリカルデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、主な適用データと考えている臨床試験データの論文化が進み、出版された(Tanaka et al., Int J Clin Oncol. 2017;22(6):1052-1059.)。本試験では過去の臨床試験データを新規試験の既存治療群のヒストリカルデータとして用いることで、全体の対象者数を変えずに新治療群への割付比率を上げることが行われている。新規試験内では2:1割付が行われており、既存治療群に対し、新治療群の1/2に当たる情報量をヒストリカルデータから代用している。 その次の段階としてヒストリカルデータから用いる情報量を新規試験データとの類似度に応じて連続的に決定する方法についての研究を引き続き進めている。具体的に、動的利用を伴うベイズ流の手法のうち、階層モデルに着目し、ヒストリカルデータなどの事前情報に基づいて構成した興味のある統計量の事前分布について、事前平均を誤特定してしまった場合のバイアスの解析的な評価を行い、動的利用がなぜうまくいくかについて考察した。また、データに基づいてそのバイアスの補正やバイアスの最大値の制御を行う試みを行い、良好なシミュレーション結果を得ている。 当該年度中に当該研究に関連した統計理論の査読付き原著論文を筆頭著者で1報(Taguri and Kuchiba, 2018)、共著で1報(Takeda, Taguri and Morita, in press)発表した。これらはいずれも本研究で目標としている治療効果の推定方法に関する研究であり、有意義であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
提案する方法に関する方法論的な検討に関して、他業務の都合により論文化が遅れているが、シミュレーション研究と理論的な検討は順調に進展しているため、既に発表できる段階にある。 本年度はシミュレーション研究と実データ解析を行い、学術論文の投稿ができると考えている。関連した方法としてHeld and Sauter(2017)やvan Rosmalen et al.(2017)等で紹介されている最新の方法についてもシミュレーションでの比較を行うことなどを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度までで提案法の開発は、特に事前平均を定数として指定する場合については、既に終えている。同様のアプローチで事前平均をデータから推定する場合についても拡張し、論文化を行っていく。開発した手法により得られる治療効果の推定値の挙動が、MSEにおいて既存の方法と比較してどの程度改善されるかに着目した検討を行う。また、検証的な臨床試験では、αエラーの担保も非常に重要視されるため、その点についても検討する。提案法実際の臨床試験データに適用してその有用性について検討を行う。
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Causes of Carryover |
(理由)29年度が学部の立ち上げ等に関わる他業務の都合でさらに専門家との意見交換のための旅費や学会参加費としての支出を含め、進捗が芳しくなく、使用額があまり発生しなかった。
(使用計画)本年度は研究最終年となるため、研究を効率的に遂行するためにシミュレーション研究を行うための人件費や、研究成果の公表と専門家との意見交換のために旅費や学会参加費としての支出を見込んでいる。
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Research Products
(5 results)