2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K15952
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松浦 峻 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (70583368)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 調合誤差因子実験 / 応答曲面法 / パラメータ設計 / 応答分散 / 相関係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,調合誤差因子実験の統計的性質の解明に取り組み,以下の成果を得た. パラメータ設計において,制御因子(設計因子)の数をp,誤差因子の数をqとおくと,p個の制御因子を内側直交表(m×p行列,ただしm>p)に,q個の誤差因子を外側直交表(n×q行列,ただしn>q)に割り付け,直積の組み合わせ全てのm×n回の実験を行う直積実験がよく用いられるが,この方法はしばしば非常に多くの実験回数が必要となる.これに対し,調合誤差因子実験は,誤差因子の水準の設定を調合し,2通りのみの設定を用いるため,実験回数がm×2回となり,大幅に実験回数を削減することができる.調合誤差因子実験は近年幅広く普及してきているが,しばしば直積実験と調合誤差因子実験では得られる制御因子の最適水準組み合わせが大幅に異なることがある.本研究では,その理由の解明のため,制御因子と誤差因子の主効果および交互作用効果からなる応答モデル式の仮定のもと,直積実験と調合誤差因子実験で得られる各制御因子の水準組み合わせごとの応答分散の相関係数の式表現を導き,主効果および交互作用効果との関連性を示した.得られた式表現について,その値が1になる条件や,正になる条件を与え,さらに,effect sparsityの仮定(応答に影響する因子は少数であるという仮定)のもとでの性質について考察した. 以上の成果について,国内学会での発表を2回行い,また,査読付き論文1編が掲載決定済みである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目(2016年度)の研究課題である調合誤差因子実験の性質の解明について一定の成果が得られ,また,翌年度に向けて,多応答同時解析問題についても成果が得られつつあり,おおむね順調に進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
当初より3年目(2017年度)の研究課題としていた多応答同時解析問題に取り組む.また,1年目,2年目の研究課題であった過飽和応答曲面計画,調合誤差因子実験の高精度化についても引き続き発展を目指す.
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Causes of Carryover |
本年度は,自らの研究発表および他の研究者の関連発表の聴講を行った学会の多くが近郊で開催されたこともあり,約25万円の次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度分の請求額と合わせ,研究打ち合わせや研究発表を行う際の国内外への旅費,必要な文献・書籍(主に洋書)の購入,論文別刷り代などに使用の予定である.
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