2016 Fiscal Year Research-status Report
手動評価と自動評価を統合したモデルベース操作性評価手法の研究
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15K15972
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小形 真平 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (10589279)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | モデル駆動開発 / ユーザインタフェース / 操作性評価 / プロトタイピング / 操作ログ解析 / レイアウト / ヒューマンインタフェースガイドライン / 評価プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,操作性の高いソフトウェア開発を支援するために開発の早期段階における操作性評価手法を確立することを目的とする.従来の操作性評価ではその専門家が,システムの想定する操作手順を理解して良し悪しを診断することや,エンドユーザの操作を観察することなどによって行われている.これらは,専門性の高い知識と作業を要求する方法であり,専門家不在時には利用することが難しい.この現状に対して,アクセスログや操作ログの記録および定量的な分析を支援する手法が研究されているが,結果として得られる数値の読み解きには,未だ専門性の高い知識が必要となる.この改善に向けて,本研究では操作性を「ミスが少なく,効率的な操作を行える性質」と捉え,分析・設計仕様に基づくシミュレーションなどによる操作性の自動評価と,同仕様から生成されたUIプロトタイプへの操作ログなどの記録・分析による手動評価を統合した手法を提案している.そして,自動評価と手動評価の両結果を突き合わせることで当該専門知識の少ない開発者でも操作性を改善すべき箇所を容易に特定できる手法の確立を目指す.本年度では,手動評価が非系統的に実施される場合に,その結果に大きなバラつきが生じる可能性があることから,手動評価の系統性向上をねらった具体的なプロセスを確立した.また,前年度の成果を踏まえて,より詳細かつ容易に操作ログを記録できるように操作ログ取得方法を改善した.さらに,操作ログをどのように可視化すると専門知識の乏しい開発者が修正すべき箇所を特定しやすいかについての調査を実施した結果,開発者に益がある可視化方法は未だ不明であるが,評価対象のプロダクト・プロセスの要因を十分に捉え,評価項目の優先順位を順位付けし,そして,修正候補を推薦することが重要であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画からして,前年度の時点で必要なツールやプロトタイプの試作は完了していた.本年度では,それらの洗練と手動評価のためのプロセス提案が主であり,次年度実施予定の大規模な評価に向けた基盤構築を行い,提案したプロセスに関して国際会議にて発表を行った.総じて,おおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
自動評価と手動評価の評価結果を突き合わせた考察を行うためのデータ獲得を主目的に大規模な評価実験を実施する.また,これまで実現してきた各種ツールのさらなる洗練や連係の実現を図る.
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Causes of Carryover |
当初計画で見込んだ費用よりも安価に研究が進んだため,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
大規模な評価実験の実施に向けて,実験環境を統一するためや,多くの実験参加者を募るために平成29年度請求額と合わせて使用する.
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Research Products
(4 results)