2015 Fiscal Year Research-status Report
Quality of Green (QoG), Quality of Experience (QoE) and Quality of Protection (QoP) for Mobile Cloud Networking
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15K15976
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 香 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50713971)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | モバイルクラウド / エネルギー効率 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度は、モバイルクラウドにおけるQuality of Green(QoG)、つまり、モバイル端末とクラウド間通信のための様々な省エネなアルゴリズムの設計を行った。バッテリー駆動のモバイル端末にとってエネルギー消費は根幹的課題である。もし、クラウドからのデータやサービスの取得と引き換えにバッテリーがなくなってしまったら、モバイル端末とクラウドコンピューティングの融合の最大メリットである、モバイル端末のリソースのオフロードの意味はなくなってしまう。 以上の観点から、QoG保証なモバイルクラウド間通信のため、本研究ではまず、無線センサーネットワーク(WSN)のエネルギー効率化からヒントを得て、モバイルクラウド間の効率的なデータ送受信方法を考案した。特に提案手法では、ネットワーク上のモバイル端末のバッテリー寿命を延ばし、かつ端末の位置によってバッテリー消費に偏りがでないよう設計された。 また、本研究ではクラウドサーバのQoG保証も考慮し、省エネなサービス選択アルゴリズムを提案した。エネルギー消費を抑えつつ、モバイル端末からのリクエスト応答遅延が最小となるよう設計した。 以上の研究成果の一部は、国際会議および国際的な学術論文誌に論文として採録されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、関連研究の調査、QoG保証なアルゴリズムの提案、シミュレーションによる性能評価を行うこととなっていたが、当初の予定通り27年度はこれらの計画を順調に実行できた。研究成果の一部は、世界最大規模の学会であるIEEE主催の国際会議などで発表された。特に、The 10th International Conference on Green, Pervasive and Cloud Computing (GPC 2015)で発表された論文は、最優秀論文賞を受賞している。また、インパクトファクターが高い学術論文誌、IEEE Transactions on Parallel and Distributed Systems (TPDS)において、本研究課題の成果の一部が論文として掲載されていることから、進捗状況はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降にはモバイルクラウド固有の特徴(人々のソーシャル性)に着眼し、新たな評価基準を定義して、QoE保証なプロトコル、ユーザーの移動・電話の使用パターンからユーザのセキュリティの保護に応用できるアルゴリズム、そしてデータの正確性とプライバシーのトレードオフの関係について研究する。提案する研究の性能評価は、広く利用されている数値計算用ソフトウェア(MATLAB)を用いる。その次の段階で、実データ(スマートフォンユーザの位置、ソーシャル性を含む情報)を適用したシミュレーション検証を行う。最後に、提案アルゴリズムが実装されたスマートフォンで実験を行い、実用化にもっとも近い形の実機実験で成果を検証する。
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Causes of Carryover |
当該年度中に研究代表者が産休・育休を取得したため、当初予定していた物品購入、国内外の出張等を見合わせ、次年度への繰越となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初27年度に購入予定であったものを適宜購入する。具体的には、シュミレーションに必要となる高速演算並列処理が可能な計算用コンピュータ、実験データを記録・保存するためのストレージ、データバック用記憶メディアなどである。その他、実験補助の学生への謝金、学会および学術論文誌への投稿料、会議への参加料および旅費等挙げられる。 平成28年度は、引き続きシュミレーションによる評価実験を行うと同時に、提案技術を実装した数台の携帯端末機をローカルで接続し、テストベッドによる検証を行うため、実験用ノートPC、消耗品として10台の携帯端末機および無線ルーター、実験協力者のための謝金を予定している。また他の研究機関の研究者に協力を依頼しているため、国内の打合わせと、海外より研究協力者の招聘も予定されている。
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Research Products
(19 results)