2017 Fiscal Year Annual Research Report
Autonomous Evacuation Route Prediction and Information Providing Method based on Flood Observation Data
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15K15991
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
廣井 慧 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任助教 (30734644)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 浸水被害推定 / 環境センシング / 時空間補正 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、災害死の最大の原因である水害の減災を目的として、浸水被害の実観測データを用いた避難経路の自律的な予測を目指す。浸水の継続的なモニタリングが行われていない従来では、安全な避難経路がわからず避難中の死者が数多く発生してきた。そこで、浸水の実観測データの実施およびその分析結果から危険箇所の予測と安全性の高い避難経路の自律的な選定手法を提案する。 最終年度となる平成29年度は、モニタリング、浸水推定手法、避難経路選定システムの高精度化を実施した。レーダ降水強度を取り入れた浸水モニタリングシステムを開発し、既往の浸水時モニタリングデータおよび平成28年度までに収集したモニタリングデータを用いてその精度評価を行った。浸水推定手法の高度化として、豪雨時、浸水発生時に危険箇所を推定する手法を開発するとともに降雨予測に基づいた経路推定提示を行うシステムを開発した。さらにモニタリングの対象地域を拡大し、地形や都市構造など地域差を鑑みた浸水推定について浸水実績値に基づいた検討を行った。最後に、避難経路選定システムおよび浸水推定結果の情報提供による被害発生可能性の変動について効果測定を行うシミュレーションを開発した。これは従来、避難者の判断に任されていた経路選定について、歩行速度や情報へのアクセシビリティなど歩行者の特性を考慮したシミュレーションの基幹機能の構築であり、将来的に降雨予測に合わせた高精度な浸水予測や危険箇所および最適な避難経路の選定、情報提供タイミングの効果測定をリアルタイムで実現するシミュレーションの開発へとつなげることを予定している。
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