2015 Fiscal Year Research-status Report
意思決定における判断バイアスの発生メカニズムの解明と除去法の開発
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15K16008
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 あき 京都工芸繊維大学, グローバルエクセレンス, 助教 (30727053)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 意思決定 / 感性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の遂行において、初年度は判断バイアスの刺激カテゴリ依存性について体系化するために、様々な対象に対して判断や評価を行う際のバイアス生起を調べ、基礎・応用研究を展開するための基礎的知見を得ることを目的とした。特に本年度は、布に対して我々が感じる印象評価を対象にした。実験では、 光沢のある布に対して我々が感じる光沢感、高級感の印象に関して官能評価を行った。その結果、観察者の布に対する光沢感や高級感の評価には判断バイアスが生じることが明らかになった。このことから、光沢感といった布の物性に関する評価だけでなく、高級感のような価値の評価においても判断バイアスが生じる可能性が示された。これらの研究成果について、国内会議(日本基礎心理学会)において発表を行った。これらの研究成果は、本研究課題である、人間の高次意思決定における判断バイアスの発生メカニズムを解明する上で有用な知見であり、次年度以降の研究について土台を得ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度より新たに実験刺激として布を用いるため、糸や布の構造の理解や、実験で用いる布の選定、また布の物性値の測定方法の習得などに想定よりも時間がかかった。しかし現在では実験準備についてはほぼ終了しており、次年度以降はこれをもとに研究を進捗できると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、より実社会場面に近い環境での判断バイアスを想定するため、先行研究で用いた布を用いて布製品を作成し、それに対し評価を行う際の判断バイアスについて検証することを計画している。また実験環境で明らかになった判断バイアス除去法が実社会場面にも応用可能か検証することにより、社会場面における判断バイアス除去法を開発することを目標としている。
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Causes of Carryover |
共同研究の発表で国際会議に参加予定であったが、学務により参加を見送ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度に国際会議に参加が決定しており出張費として使用する予定である。
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[Presentation] Magnifying glass optical illusion occurs for multiple stimuli but not for a single stimulus.2015
Author(s)
Takao, S., Kondo, A., Ariga, A., Takahashi, K., & Watanabe, K
Organizer
Association for the Scientific Study of Consciousness
Place of Presentation
Paris, France
Year and Date
2015-07-07 – 2015-07-10
Int'l Joint Research