2015 Fiscal Year Research-status Report
画像処理フィルタの組合せ最適化に基づく特徴抽出処理の自動構築
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15K16029
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
白川 真一 筑波大学, システム情報系, 助教 (90633272)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 画像処理 / 画像特徴量 / 進化計算 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、画像の認識や検索において重要となる、特徴抽出処理を既知の処理ユニットの組み合わせ最適化によって自動構築する方式を確立することである。 本年度は当初の研究実施計画に従って、画像処理フィルタやサブサンプリング処理、基本演算処理などの基本処理ユニットの種類や組み合わせ、適用順序などを最適化することで、特徴抽出処理の自動構築を実現するアルゴリズムの開発を重点的に実施した。アルゴリズムの開発では、研究代表者らがこれまで提案してきた、処理ユニットをグラフ構造上に組み合わせる方法をベースに拡張するかたちで検討を行った。具体的には、特徴抽出処理に適した処理ユニットの組み合わせ方法、最適化方法、画像認識を想定した特徴抽出処理の評価関数の設計などについて重点的に検討を行い、いくつかのプロトタイプアルゴリズムを実装し、比較実験を通して性能評価を実施した。評価実験から処理ユニットの階層を多層にすることで画像認識性能が向上することを確認している。本研究で検討しているアプローチは、処理構造そのものを自動構築しようとする試みであるため、人手に依らない高品質な特徴抽出処理を事例データから獲得することが期待できる。 また、提案方式で用いる最適化法に関連して、ブラックボックス最適化法において、評価関数の単調増加変換に対する不変性に着目したアルゴリズムの改良を行った。 本年度得られた研究成果は国際会議や学術論文として発表準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の研究計画通りに、本研究課題の基礎となるアルゴリズムの開発を重点的に実施し、基本アルゴリズムの確立が実現しつつあることから、本研究課題はおおむね順調に進展しているといえる。 また、本研究に関連するブラックボックス最適化に関する研究についても研究を進めていることから、本研究課題に関して幅広い検討が行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の研究計画に従って、研究を推進していく予定である。具体的には、提案方式の大規模化、GPUを用いた実装、構築した処理の解釈性向上などの研究に着手し、より実用的な方式に洗練していく。 また、ここ数年でDeep Learningと呼ばれるニューラルネットワークベースの方式が注目を集めていることから、それらの方式と提案方式の比較、組み合わせなどについても検討を行っていきたい。
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Causes of Carryover |
アルゴリズム開発・評価用計算機に関して、当初計上していた予算より安価に調達することができたたことと、国際会議発表が次年度に延期になったことが主な理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、大規模な計算機実験を予定しているため、当初計画でも高性能計算機を複数台購入する予定であった。次年度使用額と翌年度分の助成金を併せて、高性能な計算機を導入し、研究の効率化を計る予定である。
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